イエローアイビーンズ / Yellow Eye Bean

🇯🇵 日本語: イエローアイビーンズ
🇬🇧 English: Yellow Eye Bean, Yellow-Eyed Bean, Maine Yellow Eye
🔬 学名: Phaseolus vulgaris L.
🌿 科名: Fabaceae

Yellow Eye Bean は、乾燥した common bean(Phaseolus vulgaris)の地域的なタイプであり、伝統的にニューイングランド地方、特にメイン州、さらにカナダ大西洋岸諸州と深く結びついている。

種子はクリーム白色で、へそ周辺に特徴的な黄色または黄褐色の斑紋があり、これが “yellow eye” という名称の由来である。

Yellow Eye はニューイングランド、特にメイン州の地域料理で重要で、baked beans、bean-hole beans、教会や地域共同体の bean suppers などに使われる。

カナダの Maritime Provinces でも、Yellow Eye は長時間焼いて調理する伝統的な豆として利用されている。

University of Maine は、Yellow Eye を Jacob’s Cattle、Soldier、Navy、Marfax、Cranberry などと並ぶ、地域で一般的な乾燥豆のタイプの一つとして挙げている。

古くからの Yellow Eye というタイプと、後世に育成された改良系統は区別する必要がある。

Steuben Yellow Eye と Kenearly Yellow Eye は、まったく同一品種の別名ではなく、Yellow Eye から選抜・改良された別個の系統である。

この記事は現在、一部未完成のため、内容を随時追加・更新しています。

Yellow Eye の初期史は、商業的な紹介文でしばしば語られるほど明確には記録されていない。

商業資料では、Yellow Eye は17世紀にはすでに北米北東部で栽培されており、地域の先住民族による伝統農業に由来するという説明が見られる。

しかし、そのような品種史が途切れることなく連続していたことを示す信頼できる一次資料は確認しにくい。

一方、19世紀末には Yellow Eye がニューイングランドの食文化に確実に定着していたことがわかる。

1884年刊行の Mrs. Lincoln’s Boston Cook Book では、baked pork and beans のレシピの後に、yellow-eyed beans も焼き豆料理に適していると明記されている。

1896年刊行の Fannie Merritt Farmer による The Boston Cooking-School Cook Book でも、Yellow Eye は baked beans に適した豆として再び推奨されている。

したがって、19世紀までには Yellow Eye は明確に認識されたニューイングランドの地域的な食用豆タイプとなっていたといえる。

なお、Phaseolus vulgaris そのものの歴史と Yellow Eye の歴史は分けて考える必要がある。

common bean はヨーロッパ人の植民以前にアメリカ大陸で栽培化され、メソアメリカ系とアンデス系という主要な遺伝的起源をもつ。

Yellow Eye は、その中から北米で後世に形成された比較的新しい文化的・地域的タイプである。

種:Phaseolus vulgaris L.
生活型:一年生草本植物
タイプ:乾燥用の叢生型インゲンマメ
染色体数:2n = 22
受粉様式:主に自家受粉

Yellow Eye は通常、コンパクトな叢生型の株を形成する。

種子:
• 中粒
• 丸みのある楕円形、またはやや腎臓形
• クリーム白色
• hilum 周辺に幅広い黄色、黄土色、または黄褐色の斑紋

カナダの農業資料では、Yellow Eye の1000粒重は約425~500 gとされている。

特徴的な幅広い黄色の eye は、種子表面のおよそ4分の1を占めることがあるが、斑紋の形や面積は系統によって異なる。

USDA は Maine Yellow Eye を、淡色の腎臓形種子に黄色い eye をもつ叢生型インゲンマメとして記載している。

主なタイプ

Yellow Eye / Maine Yellow Eye

ニューイングランドの古い地域的な сортотип。

Maine baked beans の伝統と結びついているのは、このグループである。

Yellow Eye という名称の下には、過去にも現在にも複数の地域系統が存在するため、Yellow Eye と呼ばれるすべての豆が遺伝的に同一というわけではない。

Steuben Yellow Eye

Yellow Eye から育成された現代の改良品種。

Cornell University によって育成され、1961年に標準的な Yellow Eye からの選抜系統として登録された。

主な特徴:
• やや大粒
• 均一性が高い
• 旧来の Yellow Eye より収量が高い

したがって、Steuben Yellow Eye が植民地時代の Boston baked beans に使われた元来の豆だったという説明は、歴史的に成立しない。この品種が登場したのは20世紀である。

Kenearly Yellow Eye

カナダで育成された Yellow Eye 系統で、Nova Scotia の Kentville 試験場で選抜された。

Kenearly は主に早熟性を目的として選抜された。

カナダの農業資料では、一般的な Yellow Eye より約1週間早く成熟するとされている。

現在の種苗資料でも、より均一で早熟、北方の短い栽培期間に適応したタイプとして説明されている。

Yellow Eye は、穏やかでクセが少なく、わずかな甘みと土っぽさをもつ風味が特徴である。

加熱すると内部はやわらかくクリーミーになる一方、種皮は比較的しっかりと形を保つ。

このクリーミーな内部と、長時間加熱しても煮崩れしにくい性質の組み合わせによって、Yellow Eye は特に baked beans に適した豆となっている。

へそ周辺の特徴的な黄色い模様は、加熱後も通常ある程度残るが、色の鮮やかさはやや弱くなる。

この点は、加熱によって模様がほとんど消えてしまう多くのマーブル模様の豆とは異なる。

Yellow Eye は主に乾燥豆として利用される。

特に適している料理:
• baked beans
• bean-hole beans
• スープ
• 濃い豆の煮込み料理
• キャセロール
• 長時間煮込む豆料理
• 丸ごと茹でた豆を使うサラダ

最も特徴的な利用法は長時間の焼き調理である。

University of Maine は Yellow Eye を、風味が穏やかで、伝統的に baked beans やスープに使われる豆として説明している。

代表的な料理

Maine Baked Beans|メイン州、米国

Yellow Eye の最も代表的な利用法の一つ。

豆をあらかじめ浸水し、玉ねぎ、塩、マスタード、molasses または maple syrup、通常は salt pork または bacon とともに調理する。

University of Maine では、伝統的な Maine baked beans のレシピに yellow-eyed beans を使用している。

Maine Folklife Center の資料では、Yellow Eye はメイン州の伝統的な bean suppers で最も人気のある豆とされる一方、地域によって好みはかなり異なる。

Lewiston では伝統的に Navy bean が多く使われ、Fryeburg より西では Jacob’s Cattle、Downeast Maine では Marfax も利用されてきた。

Bean-hole Beans|メイン州

豆を重い鋳鉄鍋に入れ、炭火で十分に熱した穴の中に置き、土をかぶせて数時間から一晩かけてゆっくり調理する。

Yellow Eye は、この調理法に使われる最も伝統的な豆の一つである。Maine State Museum の資料でも、Yellow Eye を使った bean-hole beans のレシピが紹介されている。

この調理法の起源については慎重な表現が必要である。

現在のメイン州の伝承では、bean-hole beans は Penobscot をはじめとする地域の先住民族と結びつけられ、その後19~20世紀の森林伐採キャンプ文化へ受け継がれたとされる。

ただし、Penobscot から初期ヨーロッパ系入植者へこの具体的な技法が連続的に直接伝わったことを証明する植民地期の文書資料は多くない。

そのため、伝統的に Indigenous 起源とされる調理法と表現する方が、完全に記録された直接的な継承関係として扱うより適切である。

一方、University of Maine の歴史資料では、より後世の森林伐採キャンプでの伝統はよく記録されている。そこでは bean-hole beans が継続的に作られ、一つの鍋を取り出すと次の鍋を入れるような形で調理されることもあった。

Boston Baked Beans|マサチューセッツ州

Yellow Eye は Boston baked beans にも適し、少なくとも19世紀末にはニューイングランドで使われていた。

ただし、Yellow Eye、まして Steuben Yellow Eye が Boston baked beans の元来の必須品種だったという主張は裏付けられていない。

Mary J. Lincoln の1884年のレシピでは、主原料は pea beans であり、Yellow Eye は良い代替品として挙げられている。Fannie Farmer も同様である。

マサチューセッツ州は1993年に baked navy bean を州の公式 bean として指定しており、州の資料でも Navy Bean を有名な Boston baked beans の元来の豆として紹介している。

したがって Yellow Eye は、特にメイン州と強く結びついた、ニューイングランド伝統の baked beans 用豆の一つと考えるのが適切であり、Boston baked beans の最初の唯一の canonical bean とみなすべきではない。

乾燥豆は選別してよく洗う。

浸水

推奨時間:
• 6~8時間
• または一晩

浸水後の水は捨て、豆を洗う。

University of Maine では、短時間で行う方法として、豆を2~3分沸騰させ、火から下ろして約1時間置いてから調理する方法も紹介している。

茹で方

浸水後、新しい水を加えて沸騰させ、その後は中程度の沸騰で煮る。

Yellow Eye の加熱時間の目安:
1~2時間
完全にやわらかくなるまで煮る。

その後数時間オーブンで焼く場合は、通常、豆を部分的にやわらかくなるまで下茹でし、ソースと合わせてオーブン調理を続ける。

伝統的な baked beans では、その後のゆっくりした焼き時間が約4~8時間になることもある。

Yellow Eye Bean は、日本食品標準成分表に独立した項目として掲載されていない。

そのため、目安として Phaseolus vulgaris の成熟乾燥種子のデータを使用できる。ただし、これは種全体の参考値であり、Yellow Eye を個別に分析した数値ではない。

乾燥豆100 gあたり:

エネルギー:280 kcal
たんぱく質:22.1 g
脂質:2.5 g
炭水化物:56.4 g
食物繊維:19.6 g

実際の Yellow Eye の成分は、系統、栽培地、保存条件によって多少異なる場合がある。

Yellow Eye は Phaseolus vulgaris に属し、生または加熱不十分な状態で食べることを前提とした豆ではない。

生の豆には、phytohaemagglutinin を含むレクチンが含まれる。含有量は Phaseolus vulgaris のタイプによって異なるが、乾燥豆の家庭調理における基本原則は共通しており、十分な湿熱調理が必要である。

FDA の推奨:
• 乾燥豆を少なくとも5時間浸水する
• 浸水後の水を捨てる
• 新しい水で調理する
• レクチンを確実に失活させるため、少なくとも30分間は沸騰状態を保つ

その後は、より低い温度で調理を続けることができ、長時間のオーブン調理も可能である。

乾燥した生の Phaseolus vulgaris を、事前に十分な沸騰工程を行わずに slow cooker だけで調理してはならない。

Yellow Eye は、厳密に一つの歴史的 cultivar を指す名称ではない。特徴的な黄色い模様をもつ古い地域系統群を表す名称であり、Steuben と Kenearly は、その伝統の中から後に育成された改良系統である。

Steuben は、その伝説よりずっと若い。 Cornell University が Steuben Yellow Eye を登録したのは 1961年である。そのため、「Steuben はボストンの初期住民が使っていた」といった説明は、heirloom 食品の歴史が実際の品種より先に古くなってしまう好例である。

Kenearly は、短い夏に対応するためのカナダ系統である。Nova Scotia の Kentville で、より早く、より均一に成熟するよう選抜されながら、Yellow Eye 特有の外観と調理特性を保つよう育成された。

Yellow Eye は、19世紀のニューイングランドの古典的な料理文献に確実に記録されている。1884年には Mary J. Lincoln が yellow-eyed beans を焼き料理に推奨し、その後 Fannie Farmer も Boston Cooking-School Cook Book で同様に紹介した。

これは、魅力的ではあるものの裏付けの弱い「17世紀から」という説明より、はるかに信頼できる歴史資料である。

メイン州には、実際に地域ごとの豆の好みの分布が存在した。

Maine Folklife Survey のフィールド資料では、隣接する地域でも「正しい豆」と考えられていた品種が大きく異なり、Yellow Eye、Navy、Jacob’s Cattle、Marfax、Pea、Sulphur などが使い分けられていたことがわかる。

ここでの baked beans は、一つの固定レシピではなく、地域ごとに異なる豆文化全体だった。

Yellow Eye の特徴的な eye 模様は、加熱後も残りやすい。

多くの pinto、cranberry、Anasazi-type beans では模様が煮るとかなり薄れるが、Yellow Eye の黄色い斑紋は通常、加熱後も識別できる程度に残る。

この特徴は、豆を丸ごと盛り付ける料理では視覚的な利点になる。

Kew Science — Plants of the World Online: Phaseolus vulgaris L.

USDA Agricultural Research Service — Plant Inventory: Maine Yellow Eye

USDA — Dry bean varieties: Yellow Eye and Steuben Yellow Eye

HortScience — Vegetable Cultivar Descriptions for North America: Steuben Yellow Eye

Agriculture Canada — Field Beans in Canada: Yellow Eye and Kenearly

Fedco Seeds — Kenearly Yellow Eye

University of Maine Cooperative Extension — All About Dried Beans, Peas and Lentils

University of Maine Cooperative Extension — How to Store and Cook Dried Beans

University of Maine Cooperative Extension — Legumes: Dry Beans, Peas, and Lentils

University of Maine — Maine Baked Beans

University of Maine Northeast Archives of Folklore and Oral History — Bean-Hole Beans

University of Maine Northeast Archives of Folklore and Oral History — Bean-hole interview, Ben Cole

University of Maine Northeast Archives of Folklore and Oral History — Maine Folklife Survey

Maine State Museum — Lumber Camp Food and Maine Bean-hole Baked Beans

New England Historical Society — Regional baked bean traditions and Maine bean preferences

Mrs. Lincoln’s Boston Cook Book, 1884 — Baked Pork and Beans

Project Gutenberg — Fannie Merritt Farmer, The Boston Cooking-School Cook Book

Massachusetts General Laws — Official Bean of the Commonwealth

Secretary of the Commonwealth of Massachusetts — State Bean

Woodland Foods — Yellow Eye Bean

Yankee Magazine — Vermont-Style Baked Beans: Maine Yellow Eye

FDA — Natural Toxins in Food: Phytohaemagglutinin in Beans

FDA — Bad Bug Book: Phytohaemagglutinin

文部科学省 — 日本食品標準成分表:いんげんまめ/全粒/乾