
🇯🇵 日本語: リオ・サペ豆
🇬🇧 English: Rio Zape Bean, Hopi Purple String Bean,
🔬 学名: Phaseolus vulgaris L.
🌿 科名: Fabaceae
Rio Zape Bean は、Phaseolus vulgaris に属する希少な heirloom 品種で、紫褐色の種皮と、濃色の縞模様または鎌形の斑紋が特徴である。
種子の大きさや全体的な形は pinto bean に近いが、より濃い色、しっかりした食感、特に濃厚な豆の煮汁をもつ点で異なる。
UC Davis の研究では、Rio Zape は Phaseolus vulgaris の Middle American gene pool に属し、race Durango の landrace タイプとされている。
Rio Zape は、特定の国民料理を代表する基本食材ではない。
文化的な位置づけは、主に米国南西部の先住民による伝統的な豆文化、特に Hopi Purple String Bean との関連にあり、現代では 米国南西部料理、メキシコ系の豆料理、米国の heirloom beans 保存運動とも結びついている。
現代の種苗資料や料理資料では、Rio Zape と Hopi Purple String Bean を同一品種、または非常に近い系統として扱うことが多い。
ただし、歴史的なすべての系統、現代の Hopi Purple String、現在流通する Rio Zape が遺伝的に完全に同一であることは、文献上確定していない。
この記事は現在、一部未完成のため、内容を随時追加・更新しています。
Rio Zape の歴史は、米国南西部の伝統的な豆類と、メキシコ北部の考古学的発見の両方に関係している。
Rio Zape に近い種皮模様をもつ豆は、現代の商業流通よりはるか以前から、現在の米国南西部で栽培されていた。
Native Seeds/SEARCH の現代資料では、Hopi Purple String Bean を、ホピの土地で伝統的に栽培されてきた、紫色の種子と濃い鎌形の縞模様をもつ豆として記録している。
Rio Zape の現代的な説明では、1935年にニューメキシコ州の古代 Ancestral Pueblo 集落で似た豆が発見されたという話がしばしば紹介される。
その後、Rio Zape という名称は、メキシコ・ドゥランゴ州 Río Zape 渓谷の考古遺跡 La Cueva de los Muertos Chiquitos と結びつけられるようになった。
この洞窟は1950年代末から1960年代初頭に調査された。考古学者は、トウモロコシ、ウリ科作物、特に多様な豆類を含む大量の植物遺存体を発見した。
植物資料の研究では、3種の豆と12の異なるタイプまたは変異型が確認され、その中には複数の Phaseolus vulgaris 型も含まれていた。
初期研究の放射性炭素年代測定では、一部の資料について 約1300 ± 100年前という年代が得られた。
一方、洞窟内の一部資料に対する現代の年代測定では、西暦7~10世紀頃を含む、より複雑な年代構成が示されている。
考古学者が現代の Rio Zape そのものを発見した、という一般的な説明には注意が必要である。
洞窟の植物遺存体に関する科学論文では、Rio Zape という品種名は使用されていない。
現代の種苗資料では、発見されたタイプの一つが、米国南西部で知られていた豆と外観上よく似ていたと説明されている。
したがって、考古学はこのような形態的タイプの豆が古くから存在したことを裏づけるが、現代の Rio Zape が約1500年間連続して維持された同一の遺伝系統であることまでは証明していない。
La Cueva de los Muertos Chiquitos 自体は、子どもと成人の埋葬を含む複雑な葬送遺跡である。
この点は考古学的発見の歴史として重要だが、豆の料理特性とは直接関係しない。
種:Phaseolus vulgaris L.
タイプ:乾燥豆、heirloom landrace
遺伝子プール:Middle American
農学的グループ:race Durango の landraces に近い
生育型:無限伸育型、つる性
染色体数:2n = 22
Rio Zape は大型のつる性植物になる。UC Davis の研究では、原型の Rio Zape は晩生で栄養成長が旺盛なタイプとされ、Davis の栽培条件では収穫成熟まで 108日以上を要した。
花は紫色。種子は中粒の楕円形から腎臓形で、紫色の地色にほぼ黒色の縞や斑点をもつ。UC Davis の試験では、原型 Rio Zape の100粒重は平均約 42 g。
外観とタイプ
乾燥種子の基本色は、ライラックピンク、紫色、濃い紫褐色まで変化する。その上に、黒色または非常に濃い縞、弧状模様、斑点が入る。
模様は一部の pinto bean に似るが、Rio Zape は通常かなり濃色である。
一部の種子では自然に逆転した模様が現れ、ほぼ黒色または濃紫色の地色に明るい斑点をもつことがある。UC Davis の研究では、こうした種子は必ずしも異物混入ではなく、その後代から再び典型的な Rio Zape の模様が現れることが確認されている。
成熟後や保存中には種皮が徐々に濃色化し、特に高温条件で進みやすい。
伝統的な Rio Zape と UC Rio Zape は区別する必要がある。
UC Rio Zape は、Rio Zape と Matterhorn Great Northern Bean を複数回戻し交配して UC Davis が育成した別の現代品種である。遺伝的背景の約 98% を Rio Zape から受け継ぎつつ、Bean common mosaic virus への抵抗性と収量性の向上が導入されている。
Rio Zape は、濃厚な風味と香りの強い煮汁で特に高く評価されている。
加熱後の豆は、やわらかく、しっかりしていながらクリーミーな食感になる。強く煮崩れる豆類より形を保ちやすい一方、ピューレや refried beans 用には容易につぶすことができる。
専門的な料理資料では、風味を ダークチョコレートやコーヒーを思わせるニュアンスとして表現することがある。これは化学的に確立された香気成分ではなく、官能的な味覚表現であり、Rancho Gordo 創業者 Steve Sando も Rio Zape の風味をこのように表現している。
この品種の大きな料理上の特徴の一つが pot liquor、すなわち煮ることで生まれる濃く香り高い煮汁である。そのため、Rio Zape の煮汁は通常、調理後に捨てず、豆と一緒に利用される。
Rio Zape は、主に乾燥豆として利用される。
適した用途:シンプルな煮豆、frijoles de la olla、スープや濃い煮込み、frijoles refritos、豆のピューレやソース、enfrijoladas、オーブン料理、豆とトウモロコシのトルティーヤを組み合わせた料理。
豆自体の風味が強いため、追加材料をあまり使わないシンプルな料理で特に個性が出やすい。
Hopi Purple String 系統の未熟な莢も伝統的に野菜として食べられるが、これは別の成熟段階の食品であり、乾燥成熟豆のカードには含めない。
代表的な料理
Rio Zape には、この品種でなければ成立しない伝統的な国民料理はない。一般的な豆料理の調理法に、特徴的な heirloom bean として使われる。
Frijoles de la olla / pot beans
メキシコ、米国南西部。
Rio Zape の特徴を最もよく引き出せる調理法の一つ。豆を比較的シンプルに煮て、濃厚な煮汁もそのまま活かす。
Rancho Gordo 創業者が米国の heirloom beans に関心を持つきっかけになったのも、Rio Zape をシンプルに煮た料理だった。
Enfrijoladas
メキシコ料理。
トルティーヤに豆のピューレソースをかける、または浸して作る。
伝統的には黒豆がよく使われるため、Rio Zape は必須材料ではない。Rancho Gordo では、濃厚な煮汁と強い風味をもつ代替豆として使用している。
Frijoles refritos
メキシコ料理、メキシコ系アメリカ料理。
やわらかく煮た豆をつぶし、再加熱して濃厚でクリーミーな状態に仕上げる。
Rio Zape のしっかりした果肉と濃厚な煮汁は、この調理法によく適している。
乾燥豆は選別し、よく洗う。
浸水は必須ではないが、約2~6時間の事前浸水で調理時間を短縮できる。
浸水後は水を捨て、新しい水で煮てもよい。
豆より約 5 cm 上まで水を加え、十分に沸騰させて 10~15分煮る。その後火を弱め、弱い沸騰を保ちながら完全にやわらかくなるまで加熱する。
Rancho Gordo では、乾燥豆の古さや保存状態によって大きく変わるため、総調理時間を 約1~3時間としている。実用試験では、事前に浸水した Rio Zape が 約90分で完全にやわらかくなった例もある。
調理後の煮汁は捨てずに残すのがよい。Rio Zape の特徴的な要素の一つであり、スープ、ソース、その後の豆料理のベースとして利用できる。
Rio Zape 単独の公式な栄養成分分析は、日本食品標準成分表には掲載されていない。
そのため、目安として日本の食品成分表に掲載されている Phaseolus vulgaris の乾燥成熟種子の数値を使用できる。これは種全体のデータであり、Rio Zape 品種そのものの分析値ではない。
乾燥 Phaseolus vulgaris 100 gあたり:
エネルギー:280 kcal
たんぱく質:22.1 g
脂質:2.5 g
炭水化物:56.4 g
食物繊維:19.6 g
Rio Zape の実際の栄養成分は、遺伝型、栽培地域、保存条件などによって多少異なる可能性がある。
Rio Zape は Phaseolus vulgaris に属し、生または加熱不十分な状態では食べるべきではない。
生豆や十分に加熱されていない豆には、phytohaemagglutinin を含むレクチンが含まれる。これらは十分な湿式加熱によって大きく減少する。
FDA も、特に kidney bean を含む Phaseolus vulgaris の生豆・加熱不十分な豆について注意を促している。
浸水だけではレクチンを十分に失活できず、加熱の代わりにはならない。
浸水後はしっかり沸騰させ、その後完全にやわらかくなるまで加熱する必要がある。
最初に十分な沸騰工程を行わず、低温だけで調理する方法は避ける。
乾燥した Rio Zape は、密閉容器に入れ、乾燥した涼しく暗い場所で保存する。
避けるべき条件:湿気、急激な温度変化、害虫、長時間の高温や光への曝露。
長期保存すると、Rio Zape の種皮は徐々に濃色化する。
古くなった乾燥豆は、やわらかくなるまでにかなり長い加熱時間を必要とすることがある。
Rio Zape は、現代の heirloom beans 普及において非常に大きな役割を果たした。
Rancho Gordo 創業者 Steve Sando は、自ら育てた Rio Zape の味が、古い豆品種の価値に気づくきっかけになったと述べている。その後、同社は米国やメキシコの heirloom beans を広める代表的な存在の一つとなった。
Rio Zape の考古学的背景は実在するが、しばしば単純化されて語られる。
La Cueva de los Muertos Chiquitos では、多数の古代 Phaseolus 豆が実際に発見され、Phaseolus vulgaris についても非常に多様なタイプが確認された。
ただし、科学論文は、それらの一つが現代の Rio Zape と遺伝的に同一であるとは示していない。
そのため、7世紀から同一栽培品種が連続して存続してきたとするより、現代の Rio Zape に似た古い形態の豆が存在していたと説明する方が正確である。
Hopi Purple String Bean は、現在も伝統作物として保存されている。
Native Seeds/SEARCH では、紫色の種子に黒い鎌形の縞模様をもち、Hopi Mesas で伝統的に乾燥農法によって栽培されてきた豆として記録している。
現代の改良系統として UC Rio Zape も存在する。
UC Davis は Rio Zape と Matterhorn を戻し交配してこの品種を育成した。
UC Rio Zape は、遺伝的背景の約 98% を元の Rio Zape から受け継ぎ、Bean common mosaic virus に対する抵抗性をもち、試験では平均して約 19%高い収量を示した。
一方で、種子の色や模様はほぼ同じで、料理特性も元の Rio Zape と近い。
Kew Science — Plants of the World Online: Phaseolus vulgaris L.
Parker et al. — Registration of ‘UC Rio Zape’ heirloom-like dry bean, Journal of Plant Registrations
Organic Seed Alliance — California Dry Farm Trial Report: Rio Zape and UC Rio Zape
Native Seeds/SEARCH — Seedlisting: Hopi Purple String Bean
Rancho Gordo — Enfrijoladas: Tortillas with Bean Puree
U.S. Food and Drug Administration — Natural Toxins in Food: Phytohaemagglutinin in Beans
