
🇯🇵 日本語: ネイビービーン
日本での別表記: ネイビー、白いんげんまめ
🇬🇧 English: Navy bean, White pea bean, Pea bean
Other English names: Haricot bean, Boston bean, Yankee bean
🔬 学名: Phaseolus vulgaris L.
🌿 科名: Fabaceae
Navy bean は、単一の植物学的品種ではなく、Phaseolus vulgaris に属する小粒の白色インゲンマメをまとめた 市場分類、すなわち流通および育種上のグループである。
このグループには、主な商品特性が似ている多数の個別品種が含まれる。
- 小粒である
- 種皮が白色またはクリーム色を帯びた白色である
- 楕円形またはやや丸みを帯びた形をしている
- 缶詰加工に適している
- 適度な加熱では形を保ちやすく、長時間加熱すると一部が煮崩れる
Navy bean は、主として P. vulgaris の小粒なメソアメリカ系遺伝集団に属する。近年の遺伝学的研究では、この市場分類は Great Northern と区別されている。Great Northern も白インゲンマメだが、異なる歴史的・育種的グループに属する。
カナダでは、このタイプは公式に White pea bean と表記されることが多い。
この市場分類の代表的な粒数:
- 100 gあたり約 450~525粒
これは、多くの現代的な navy bean 品種で100粒重が約 19~22 g に相当する。
この記事は現在、一部未完成のため、内容を随時追加・更新しています。
アメリカでの主要名称:
- Navy bean
その他の一般的な名称:
- White pea bean
- Pea bean
- Haricot bean
Haricot bean という名称は、イギリス英語では特に baked beans に使われる小粒の白インゲンマメを指して広く用いられる。ただし、haricot という語は広い意味では Phaseolus vulgaris のさまざまなタイプを指す場合もある。
カナダの商業分類では、次の名称も使用される。
- Alubias chica
歴史的または地域的な名称:
- Boston bean
- Yankee bean
日本での名称
Navy bean には、日本の伝統的な豆類の商品分類に対応する固有の和名はない。
日本の資料では、主に次の名称が使用される。
- ネイビービーン
- ネイビー
- 白いんげんまめ
日本豆類協会では、輸入される白インゲンマメの一種として ネイビー という名称を使用しており、白餡の原料などに利用されている。
Navy bean と手亡
色、小粒であること、加工用途という点では、日本の 手亡(てぼう) が比較的近いグループである。
ただし、navy bean と手亡は同一の市場分類ではない。
手亡の特徴:
- Phaseolus vulgaris に属する
- 白色の種皮をもつ
- 日本独自の商品分類である
- 複数の現代品種を含む
代表的な現代品種:
- 姫手亡
- 雪手亡
- 絹てぼう
したがって、手亡は単一の品種ではなく、日本の白インゲンマメにおける一つの商品グループとして扱う方が正確である。
日本では手亡は主に 白餡 の原料として利用される。一方、北米の navy bean は、主としてスープ、baked beans、缶詰加工などに利用される。
日本豆類協会によると、日本産の手亡はほぼすべてが餡や菓子類の原料として利用されている。また、国内産の白餡原料が不足する場合には、Great Northern や Navy bean などの輸入白インゲンマメも使用される。
Phaseolus vulgaris はアメリカ大陸を起源とする。
インゲンマメには、主に二つの大きな遺伝的集団が形成された。
- メソアメリカ系
- アンデス系
これらはアメリカ大陸の異なる地域で、それぞれ独立して栽培化された。
Navy bean は主として、メソアメリカ系の小粒種子グループに属する。そのため、この市場分類の起源については、ペルーよりもメソアメリカ系遺伝集団との関連を重視する方が正確である。
コロンブス交換以降、Phaseolus vulgaris はヨーロッパへ広がり、その後アフリカやアジアにも伝播した。
一方、Navy という市場分類そのものが形成されたのは、さらに後の北アメリカである。
Navy Bean という名称の由来
名称は豆の色や原産地ではなく、アメリカ海軍で歴史的に利用されてきたことに由来する。
小粒の白インゲンマメは、19世紀にはすでに U.S. Navy の食糧として広く利用されていた。
その背景には、次のような特徴があった。
- 乾燥状態で長期保存できる
- 栄養価が高い
- 比較的安価である
- 輸送しやすい
- 大量調理に適している
こうしたアメリカ海軍との結び付きによって、navy bean という名称が定着した。
カナダの豆類業界資料でも、この名称は19世紀中頃からアメリカ海軍で使用されていたことに由来すると説明されている。
Navy bean 単独の世界統計は、乾燥インゲンマメ全体の統計に比べて公表例が少ない。そのため、この市場分類について特定の一国を明確な世界最大生産国とするのは適切ではない。
商業生産は、特に北アメリカで重要である。
アメリカ
伝統的な主要生産地域:
- ミシガン州
- ノースダコタ州
- ミネソタ州
- その他のアッパー・ミッドウェスト地域
Navy bean の現代的な品種改良は、特にミシガン州で活発に行われている。
現在の多くの品種は、およそ 90~105日 で成熟する。
カナダ
主な生産地域:
- オンタリオ州
- マニトバ州
オンタリオ州では、white pea bean、すなわち navy bean は現在も主要な乾燥インゲンマメの商品分類の一つである。
生産された豆の相当量が、canned baked beans の原料としてイギリスへ輸出されている。
2026年の業界資料では、オンタリオ州で栽培される乾燥インゲンマメの約 80% が navy bean であると報告されている。
種子は小さい。
形:
- 楕円形
- 丸みを帯びた楕円形
- やや扁平
色:
- 白色
- クリーム色を帯びた白色
主要な Phaseolus vulgaris の商業タイプの中では、比較的小粒な部類に入る。
カナダの White pea / Navy クラスでは、次の粒数が目安とされる。
- 100 gあたり約 450~525粒
比較すると、Great Northern はかなり大粒である。
- 100 gあたり約 280~330粒
Navy Bean と Great Northern
両者には次の共通点がある。
- Phaseolus vulgaris に属する
- 白色の種皮をもつ
- スープや缶詰製品に広く利用される
ただし、両者は異なる市場分類である。
Navy bean:
- より小粒
- 一般により丸みがある
- 主として Mesoamerica race に属する
Great Northern:
- より大粒
- より細長く扁平
- 主として Durango / Jalisco group に属する
味は穏やかでクセが少ない。
主な風味:
- わずかな自然な甘味
- 穏やかな豆の風味
- 適度なでんぷん質
- ほのかなナッツのような風味
加熱すると、内部はやわらかくクリーミーな食感になる。
加熱しすぎなければ、種子は形を保つことができる。
一方、長時間煮込むと一部の種子が崩れ始め、でんぷんが溶け出して煮汁を自然に濃くする。
形をある程度保ちながら、長時間の加熱では徐々に煮崩れるという性質により、navy bean は次のような料理や加工に特に適している。
- baked beans
- スープ
- 煮込み料理
- 缶詰加工
Boston baked beans
Navy bean の代表的な用途の一つである。
ニューイングランドの伝統的なスタイルでは、白インゲンマメを次の材料と組み合わせて長時間調理する。
- モラセス
- 塩
- 豚肉またはベーコン
- 場合によってはマスタードやその他の調味料
Baked beans とボストンの結び付きは非常に強く、豆料理は都市を象徴する食文化の一つとなった。
Beantown というボストンの愛称も、baked beans との歴史的な結び付きに関連している。ただし、その成立は単純に「この料理が有名だったから都市がそう呼ばれた」という一つの出来事だけで説明できるものではない。National Park Service は、20世紀初頭の都市イベントを通じて、ボストンと beans のイメージが特に強く広められたとしている。
1993年には、baked navy bean がマサチューセッツ州の公式の豆に指定された。
Senate Bean Soup
Navy bean を直接使う料理として、特に記録の多い代表例の一つである。
このスープは100年以上にわたり、アメリカ上院の食堂で伝統的に提供されてきた。
現在の公式レシピには次の材料が使われる。
- navy beans
- smoked ham hocks
- 玉ねぎ
- バター
- 塩
- こしょう
このスープを毎日提供する伝統の起源については複数の説がある。
一つは Fred Dubois 上院議員と結び付ける説、もう一つは Knute Nelson と1903年に由来するとする説である。
アメリカ上院自身も、正確な起源は確定していないとしている。
イギリスの baked beans
イギリスでは、navy bean は haricot bean または white pea bean と呼ばれることが多い。
小粒の白インゲンマメは、トマトソース入りの工業的な缶詰製品に広く使用される。
- baked beans
- beans on toast
- イングリッシュ・ブレックファストの構成要素
カナダ産の navy bean は、この用途のために大量にイギリスへ輸出されている。
Cassoulet
Navy bean は cassoulet に使用することもでき、特にフランス国外のレシピでは代用品として使われることがある。
ただし、navy bean を cassoulet の伝統的かつ代表的な豆とみなすのは正確ではない。
フランスの伝統的なレシピでは、次のような白インゲンマメがより一般的に使用される。
- haricot Tarbais
- lingot de Castelnaudary
- その他の地域産白インゲンマメ
フランス語圏の資料では、特に Tarbais と lingot が伝統的な cassoulet と強く結び付けられている。
そのため navy bean は、国際的なレシピでは入手しやすい代用品の一つと考えるのが適切である。
事前の浸水は広く行われているが、それ自体が必須の工程というわけではない。
一般的な手順:
- 豆を選別する
- よく洗う
- 約 8~12時間 浸水させる
- 浸水した水を捨てる
- 新しい水を加える
- 沸騰させる
- 完全にやわらかくなるまで煮る
短時間で行う クイックソーク法 も利用できる。
浸水には次のような効果がある。
- 調理時間を短縮する
- より均一にやわらかくなりやすくする
- 一部の水溶性オリゴ糖を減少させる
Navy bean は加熱すると内部がクリーミーになるが、適度な加熱では比較的よく形を保つ。
Baked beans や煮込み料理では、その後に長時間加熱することを前提として、あらかじめ完全には煮上げず、部分的にやわらかくする程度に下茹ですることも多い。
ブレンダーを使わずにクリーミーなスープに仕上げたい場合は、加熱時間をやや長くするとよい。
一部の豆が崩れることででんぷんが溶け出し、スープに自然なとろみが付く。
USDA FoodData Central によると、成熟した乾燥 navy beans 100 gあたりの栄養成分はおよそ次のとおりである。
- エネルギー: 337 kcal
- たんぱく質: 22.3 g
- 脂質: 1.5 g
- 炭水化物: 60.8 g
- 食物繊維: 15.3 g
- でんぷん: 32.9 g
主なミネラル:
- カリウム: 1185 mg
- カルシウム: 147 mg
- マグネシウム: 175 mg
- リン: 407 mg
- 鉄: 5.5 mg
- 亜鉛: 3.65 mg
葉酸:
- 364 μg
いずれも成熟した乾燥種子100 gあたりの値である。
他の成熟した Phaseolus vulgaris の種子と同様に、生の navy beans にはフィトヘマグルチニンを含む活性レクチンが存在する。
そのため、生の豆や加熱が不十分な豆は食べてはいけない。
研究では、navy bean に含まれるレクチン活性は、十分な湿熱処理によって大きく低下することが示されている。
EFSA では、navy bean を含む Phaseolus vulgaris を沸点付近の温度で十分に加熱すると、赤血球凝集活性がほぼ完全に失活するとしている。
安全な調理の基本:
- 乾燥豆を浸水する
- 浸水した水を捨てる
- 新しい水で調理する
- 十分に沸騰させる
- 完全に火が通るまで加熱を続ける
FDA は乾燥インゲンマメについて、少なくとも 5時間 浸水させ、その後、新しい水で少なくとも 30分間 沸騰させる方法を推奨している。
缶詰の navy beans は、すでに工業的な加熱処理を受けているため、開封後そのまま食べることができる。
乾燥 navy beans は、次の条件で保存する。
- 密閉容器に入れる
- 乾燥した場所に置く
- 涼しい場所で保存する
- 直射光を避ける
- 害虫を避ける
長期間保存すると、豆は徐々に水分を失い、加熱してもやわらかくなるまでにより長い時間を必要とする場合がある。
カナダの生産者団体では、良好な調理品質を保つため、乾燥豆はおおむね 1年以内 に使用することを推奨している。
調理済みの豆は、密閉容器に入れて冷蔵保存する。
Navy bean は単一の品種ではなく、市場分類 である。
このグループには数十の個別品種が含まれる。現代のアメリカの例としては、次のような品種がある。
- Alpena
- Armada
- Blizzard
- AuSable
navy という名称は豆の色や原産地ではなく、アメリカ海軍で利用されてきた歴史に由来する。
Navy bean はマサチューセッツ州の公式の豆である。州法では、baked navy bean が Commonwealth の official bean として明記されている。
アメリカ上院では現在も、Senate Bean Soup の公式レシピに navy bean が使用されている。
日本では、近縁の白インゲンマメである 手亡 の利用法は北アメリカとはかなり異なる。
手亡は一般にスープや煮込み料理用の豆として認識されることは少なく、そのほぼ全量が 餡 や菓子類の原料として利用されている。
一方で、輸入された navy bean や Great Northern も、日本では 白餡 の補助原料として使用されている。
Kew Science, Phaseolus vulgaris L.
Communications Biology, Genetic variation and historical breeding patterns in common bean
Frontiers in Genetics, Mapping yield and yield-related traits using diverse common bean germplasm
Province of Manitoba, Field Beans
Ontario Bean Growers, Types of Beans
Ontario Bean Growers, Bean Facts
U.S. Senate Historical Office, Senate Bean Soup
Massachusetts General Laws, Chapter 2, Section 38
EFSA Journal, Risks for human health related to the presence of plant lectins in food
USDA FoodData Central, Beans, navy, mature seeds, raw, FDC ID 173745
