レッドキドニー / Red Kidney Bean

🇯🇵 日本語: レッドキドニー
日本での別表記: レッドキドニービーンズ、赤いんげん豆
🇬🇧 English: Red Kidney Bean
🔬 学名: Phaseolus vulgaris L.
🌿 科名: Fabaceae マメ科
🌍 हिन्दी: राजमा rajma
🌍 Jamaican English: red peas

Red Kidney Bean は、インゲンマメ Phaseolus vulgaris に属する、大粒で赤色の種子をもつ商業的および形態的なグループである。
これは一つの植物学的品種ではなく、独立した亜種でもない。
商業分類では、kidney bean は複数のタイプに分けられている。例えば、アメリカ合衆国の公式規格では、次のような区分が独立して設けられている。
Dark Red Kidney Bean
Light Red Kidney Bean
White Kidney Bean
したがって、Red Kidney Bean という名称は主に赤色系の kidney タイプをまとめたものであり、その中には多数の個別栽培品種が存在する。
主な特徴は次のとおりである。
大粒の種子
明瞭な腎臓形
赤色または濃赤色の種皮
比較的しっかりした種皮
加熱後にクリーミーになる内部
煮崩れしにくく形を保ちやすい性質
kidney という名称は、種子の形が人間の腎臓に似ていることに由来する。
現在流通している red kidney の多くは、Phaseolus vulgaris のアンデス系遺伝子プールに属し、特に race Nueva Granada と関係している。
Red kidney は、北インド、カリブ海地域、北米、ヨーロッパ、さらに現代の国際的な料理で広く利用されている。
本項では、成熟した乾燥 red kidney beans を対象とする。

この記事は現在、一部未完成のため、内容を随時追加・更新しています。

Phaseolus vulgaris は、アメリカ大陸を起源とする。

野生集団は、メキシコおよび中央アメリカから南米北西部のアルゼンチンに至る広い地域に分布している。

インゲンマメの栽培化の歴史は特徴的で、少なくとも二つの独立した栽培化過程が起こったと考えられている。

一つはメソアメリカで起こった。

もう一つは南米アンデス地域で起こった。

これら二つの栽培化は、およそ8,000年前に始まり、その結果、栽培インゲンマメには二つの主要な遺伝子プールが形成された。

メソアメリカ系
アンデス系

大粒の kidney beans は、主にアンデス系遺伝子プールと関係している。

現在の遺伝学的分類では、Dark Red Kidney、Light Red Kidney、White Kidney は、主としてアンデス系の race Nueva Granada に属する。

これは、pinto、small red、Great Northern など、多くがメソアメリカ系遺伝子プールに由来する北米の商業タイプとは異なる。

ヨーロッパによるアメリカ大陸の植民地化後、Phaseolus vulgaris は16世紀初頭にヨーロッパへ導入された。

その後、ヨーロッパからアフリカやアジアへ急速に広がり、各地で多数の新しい在来品種や独自の食文化が形成された。

日本

日本では、いんげん豆 という名称は、1654年に来日した中国の禅僧 隠元隆琦 に由来すると一般に伝えられている。

ただし、このとき伝来した植物の正確な同定については確実ではない。

日本豆類協会では、隠元と関係する植物が、アメリカ原産の Phaseolus vulgaris ではなく、実際には フジマメ、すなわち Lablab purpureus であった可能性を示す説も紹介している。

日本で乾燥 Phaseolus vulgaris の本格的な商業栽培が成立したのはそれよりかなり後で、明治時代にアメリカから種子が導入されるようになってからである。

現在、日本における乾燥インゲンマメの主要生産地は北海道である。

Phaseolus vulgaris は、マメ科 Fabaceae の Phaseolus 属に属する。

一年生の草本植物である。

遺伝型によって、植物の生育型は次のように分かれる。

矮性のブッシュ型
半つる性
つる性

現在の商業用 kidney 品種の多くは、機械収穫に適したコンパクトなブッシュ型に属する。

葉は3小葉からなる。

花は小さな花序につき、色には次のようなものがある。

白色
ピンク色
淡紫色
紫色

果実は莢で、内部に複数の種子を含む。

Phaseolus vulgaris という種全体では、種子の大きさ、形、色に非常に大きな多様性がみられる。

Kidney beans は、その中でも大粒のタイプに属する。

アンデス系遺伝子プールでは、100粒重が40 gを超える大型種子が特徴的であり、現代の一部の red kidney 栽培品種では50~60 gを超えることもある。

成熟した red kidney の種子は、通常次のような特徴をもつ。

大粒
細長い形
やや湾曲した形
明瞭な腎臓形
やや扁平な形

Red Kidney Bean だけを対象とした統一的な世界生産統計は存在しない。

FAOSTAT をはじめとする多くの国際的な農業統計では、さまざまな Phaseolus vulgaris のタイプをまとめて乾燥インゲンマメとして集計している。

一方、アメリカ合衆国では red kidney が独立した商業クラスとして公式に区分されている。

USDA では、次の二つをそれぞれ別のクラスとして扱う。

Dark Red Kidney Beans
Light Red Kidney Beans

また、これらは次の商業クラスとも明確に区別されている。

Small Red Beans
Pink Beans
Pinto Beans
White Kidney Beans
Great Northern Beans
Black Beans

この区分は重要である。一般の小売市場では、複数の異なる赤色系インゲンマメが同じ名称で扱われることがあるためである。

Red kidney は北米をはじめ、世界各地で商業栽培されている。また、南アジア、東アフリカ、ヨーロッパなどにも kidney 型に近い地域系統が存在する。

アメリカでは、red kidney の品種改良は歴史的に北部諸州を中心に進められてきた。

Dark Red Kidney の代表的な栽培品種には、次のようなものがある。

Montcalm
Red Hawk
Dynasty

Light Red Kidney にも、独自の商業品種や育種系統が存在する。

日本

日本の流通市場では、輸入 レッドキドニー は通常、国産の 金時豆 類とは別の商業グループとして扱われる。

どちらも Phaseolus vulgaris に属し、外見もよく似ているが、商品特性や調理特性には違いがある。

日本の研究では、輸入 red kidney は特にサラダや洋風料理に適するとされており、次のような特徴が評価されている。

加熱後も鮮やかな赤色を比較的保ちやすい
種皮が裂けにくい
粒の形を保ちやすい

一方、伝統的な 金時類 は、加熱すると色がよりくすみやすく、種子が割れたり煮崩れたりする傾向が強い。

そのため、金時豆 と レッドキドニー は、同じ植物種に属する近縁なグループではあるものの、異なる商業タイプとして扱うのが適切である。

主な赤色系 kidney タイプは、主として種皮の色合いによって区分される。

Dark Red Kidney Bean

大粒で、濃い色の種子をもつ。

種皮の色には次のようなものがある。

濃赤色
ワインレッド
ボルドー色
赤褐色

表面は通常なめらかで、やや光沢がある。

形は明瞭な腎臓形である。

このクラスには、Montcalm や Red Hawk などの栽培品種が含まれる。

Light Red Kidney Bean

こちらも大粒で腎臓形だが、種皮の色は Dark Red Kidney より明るい。

典型的な色には次のようなものがある。

赤みを帯びたピンク色
淡赤色
サーモンレッド

Dark Red Kidney と Light Red Kidney は、単に同じ品種の色の濃淡を示すものではなく、それぞれ独立した商業クラスである。

Small Red Bean との違い

Small Red Bean は、アメリカの商業分類では Red Mexican とも呼ばれ、Red Kidney Bean とは別の商業クラスに属する。

Small Red Bean には、次のような特徴がある。

Red Kidney Bean よりかなり小粒
腎臓形がそれほど明瞭ではない
主として異なる遺伝的背景に由来する

そのため、Mexican red bean / Red Mexican を Red Kidney Bean の同義語として使用するのは適切ではない。

十分に加熱した red kidney は、濃厚ではっきりとした豆の風味をもつ。

主に次のような特徴がある。

ほどよい土のような風味
わずかな甘味
穏やかなナッツのような香り
しっかりした煮豆特有の香り

種皮は比較的しっかりしている。

十分に加熱すると、内部は次のような食感になる。

やわらかい
クリーミー
やや粉質

適切に調理した場合、種子は比較的よく形を保つ。

このしっかりした種皮とやわらかな内部の組み合わせによって、red kidney は長時間煮込むソース、カレー、スープ、煮込み料理に適している。

ただし、加熱時間が長すぎる場合や、非常に新しくやわらかい品種を使用した場合には、種子が割れたり煮崩れたりすることもある。そのため、kidney bean は「決して煮崩れない」という説明は正確ではない。

Red kidney は、北インド、カリブ海地域、アメリカ合衆国、さらに現代のヨーロッパ料理や国際的な料理で特に重要な豆である。

主に次のような料理に使用される。

カレー
濃厚なソース
米料理
スープ
煮込み料理
chili
冷製サラダ
缶詰製品

Rajma / Rajma Chawal

Red kidney の最も重要な利用地域の一つが北インドである。

Rajma は、通常トマト、タマネギ、香辛料を使った濃厚でスパイシーなソースで豆を煮込む料理である。

米と組み合わせたものは rajma chawal と呼ばれる。

特にパンジャーブ、ジャンムー、その他の北インド地域で広く食べられており、この地域を代表する日常料理の一つである。

ただし、rajma は一つの特定の欧米系商業品種を指す名称ではない。

インドではこの語が、大きさや色の異なる複数の赤色腎臓形 Phaseolus vulgaris の地域タイプに対して使われている。

そのため、アメリカの Dark Red Kidney は rajma に適しているが、インドに存在する rajma 全体の多様性を代表するものではない。

Jamaican Rice and Peas

ジャマイカ料理では、料理名に含まれる peas が必ずしもエンドウを意味するわけではない。

伝統的な rice and peas には、ジャマイカで red peas と呼ばれる赤色の kidney bean がよく使われる。

豆は米、ココナッツミルク、タイム、青ネギ、Scotch bonnet とともに調理される。

Red kidney は、ジャマイカの stew peas にも使用される。

Louisiana Red Beans and Rice

Red beans and rice は、ニューオーリンズおよびルイジアナのクレオール料理を代表する料理の一つである。

豆を香味野菜とともに長時間煮込み、燻製肉や andouille を加えることも多く、最後に米とともに提供する。

歴史的には、月曜日の洗濯習慣と結び付けられてきた。豆は常に見張る必要がなく長時間煮込めるため、洗濯をしながら調理するのに適していた。

ただし、この料理に必ず Red Kidney Bean を使用しなければならないわけではない。

レシピによっては kidney beans のほか、別の赤色系インゲンマメも使用される。

そのため、red kidney は伝統的に使われる選択肢の一つと考えるのが適切であり、唯一の正しい品種ではない。

Chili

Red kidney は、現代の chili に非常によく使われている。

特にテキサス以外の地域や、ヨーロッパの家庭料理では一般的である。

肉やトマトを使った濃厚なソースの中で長時間煮込んでも、比較的形を保ちやすい。

ただし、歴史的な chili con carne が kidney bean を必須とする料理だったわけではない。

伝統的な Texas chili では、豆をまったく入れない場合もある。

そのため、chili は red kidney の重要な現代的用途ではあるものの、この豆によって定義される料理ではない。

サラダ

Red kidney は、特に次のような料理に適している。

three-bean salad
複数種類の豆を使った bean salads
冷製野菜サラダ

種皮がしっかりしているため、ゆでた後に冷やしても粒の形を比較的よく保つ。

Red kidney は、生の種子に phytohaemagglutinin が多く含まれるため、特に慎重な調理が必要である。

基本的な調理方法

乾燥種子を選別する。

十分に洗う。

多めの水に8~12時間、または一晩浸水させる。

FDA が示す事前浸水時間の最低目安は5時間である。

浸水後の水は完全に捨てる。

種子を洗う。

多めの新しい水を加える。

しっかり沸騰させる。

少なくとも30分間、十分に沸騰させる。

その後も、内部まで完全にやわらかくなるまで加熱を続ける。

実験研究では、100°Cで約10分間加熱すると PHA が不活化されることが示されている。一方、FDA は家庭向けのより慎重な安全基準として、30分間の十分な煮沸を推奨している。

そのため、家庭用の調理説明では30分間の煮沸を基準とするほうが安全である。

一晩浸水させた場合、全体の加熱時間は通常およそ60~90分である。ただし、古い種子では2時間以上必要になる場合もある。

調理後の豆は、内部まで完全にやわらかくなっていなければならない。

中心部が硬い、または歯ごたえが残る状態では不十分である。

酸性の食材

トマト、酢、レモン汁などの酸性食材を大量に加えると、豆がやわらかくなるまでの時間が長くなることがある。

非常にやわらかい食感に仕上げたい場合は、豆がほぼ完全に煮えてから加えるほうがよい。

圧力鍋

Pressure cooker は kidney beans の調理に適しており、レクチンを不活化するのに十分な温度まで加熱できる。

ただし、必要な加熱時間は次の条件によって大きく異なる。

器具の機種
圧力
事前浸水の有無
種子の大きさ
種子の保存期間

そのため、red kidney 全体に対して「25~35分」のような一律の時間を設定するのは適切ではない。

Slow cooker

生の乾燥 red kidney を、そのまま slow cooker に入れて低温で長時間加熱する方法は避ける。

一部の slow cooker では、PHA を確実に不活化するには温度が不十分な場合がある。

その後 slow cooker で料理を仕上げる場合でも、乾燥豆はあらかじめ十分に沸騰させて処理するか、すでに完全に加熱済みの豆または缶詰を使用する。

缶詰

市販の缶詰 red kidney は、製造工程で十分な高温処理を受けている。

そのため、開封後はそのまま食用に使用できる。

USDA FoodData Central のデータによると、成熟した乾燥 Red Kidney Beans の生豆100 gあたりには、おおよそ次の栄養成分が含まれる。

エネルギー: 337 kcal
たんぱく質: 22.5 g
脂質: 1.1 g
炭水化物: 61.3 g
食物繊維: 15.2 g

主なミネラルは次のとおりである。

カリウム: 1359 mg
マグネシウム: 138 mg
リン: 406 mg
鉄: 6.7 mg
亜鉛: 2.8 mg
カルシウム: 83 mg

葉酸: 約394 μg

これらの値は、加熱前の成熟した乾燥種子に対するものである。

加熱後は多量の水を吸収するため、100 gあたりの各栄養成分量は大きく低下する。

Red kidney は、次の栄養素を豊富に含む食品である。

植物性たんぱく質
食物繊維
葉酸
カリウム
マグネシウム
鉄
リン

インゲンマメのたんぱく質はリシンを比較的多く含む一方、含硫アミノ酸、特にメチオニンは相対的に少ない。

グリセミック指数

十分に加熱した kidney beans は、一般にグリセミック指数が低い食品に分類される。

公表されている研究では、品種や調理方法によって数値にかなりの差がみられるものの、多くの場合は低GIの範囲に入る。

国際的なGI値のデータベースでも、豆類全般は概してグリセミック指数の低い食品群として扱われている。

Phytohaemagglutinin

Red Kidney Bean は、一般的な乾燥豆類の中でも、自然由来の食品毒性について特に注意が必要な代表例の一つである。

成熟した生の種子には、レクチンの一種である phytohaemagglutinin、PHA が非常に高濃度で含まれる。

FDA の資料では、生の red kidney beans にはおよそ次の量が含まれるとされている。

20,000~70,000 HAU

十分に加熱した場合は、

約200~400 HAU

まで低下する。

White Kidney Bean に含まれる PHA は、Red Kidney Bean のおよそ3分の1程度とされている。

Red kidney は、Phaseolus vulgaris の中でも特に高い赤血球凝集活性をもつタイプの一つである。

中毒

生、または加熱が不十分な種子をわずか 4~5粒 食べただけでも、中毒症状が起こる場合がある。

症状は通常、摂取後およそ 1~3時間 で現れる。

代表的な症状には次のようなものがある。

強い吐き気
嘔吐
下痢
腹痛や腹部のけいれん

特に嘔吐が激しくなることがある。

記録されている多くの症例では比較的短時間で回復するが、症状が重い場合には医療機関での対応が必要になることもある。

不十分な加熱

最も危険な調理上の誤りは、まったく加熱しないことだけではなく、不十分な温度で長時間加熱することである。

一部の slow cooker では、PHA を確実に不活化するには温度が十分に上がらない場合がある。

実験研究では、十分な沸騰温度に達しない状態で加熱した場合、条件によっては生の豆よりも測定上の赤血球凝集活性が一時的に高くなることさえ報告されている。

そのため、乾燥 red kidney の安全な調理手順は明確である。

浸水させる
浸水した水を捨てる
新しい水を加える
十分に沸騰させる
最低30分間しっかり煮沸する
その後、内部まで完全にやわらかくなるまで加熱する

浸水だけでは、豆を安全にすることはできない。

その他の抗栄養成分

他の Phaseolus vulgaris と同様に、red kidney にも次のような抗栄養成分が含まれる。

プロテアーゼ阻害物質
フィチン酸
タンニンおよびその他のポリフェノール
ラフィノースおよびその他の発酵性オリゴ糖

浸水と十分な加熱によって、これらの多くは含有量または活性が低下する。

乾燥 red kidney は、密閉容器に入れ、乾燥した涼しく暗い場所で保存する。

次のような条件は避ける。

高い湿度
直射日光
高温
害虫
急激な温度変化

丸のままの乾燥種子は、豆粉や砕いた種子よりも長期間保存しやすい。

長期間保存すると、豆には徐々に hard-to-cook 現象 が生じる。

種子が水を吸収しにくくなり、細胞壁もやわらかくなりにくくなる。

そのため、古い red kidney は、同じ時間浸水させても、新しい豆よりかなり長く硬さが残ることがある。

家庭では、しっかり密閉できる容器に入れ、涼しく暗い戸棚で保存するのが適している。

Red Kidney Bean は一つの栽培品種ではない。多数の個別栽培品種を含む、広い商業グループである。

アメリカの公式な商品分類は非常に細かく、Dark Red Kidney、Light Red Kidney、Small Red はそれぞれ別のクラスとして扱われている。

そのため、一般に使われる Mexican red bean という名称を、red kidney の単純な同義語として使うことはできない。アメリカの分類では Red Mexican は Small Red Beans に属する。

インゲンマメというとメキシコのイメージが強いが、現在の大型 kidney タイプは、遺伝的には主としてメソアメリカ系ではなく、Phaseolus vulgaris の アンデス系遺伝子プールに属する。

日本ではさらに興味深い状況がみられる。金時豆 と輸入 レッドキドニー は同じ植物種に属し、外見もよく似ているが、加熱後の色や食感が異なるため、日本の食品業界では別のグループとして扱われている。

伝統的な 金時豆 は、特に 煮豆 や 甘納豆 に重要である。一方、輸入 red kidney は、鮮やかな赤色と粒の形を保ちやすい性質から、サラダ、スープ、洋風料理に適している。

日本では、red kidney の鮮やかな色合いと、日本の消費者になじみやすい食感を両立させることを目指して、きたロッソ のような洋風料理向けの国産赤色品種も育成されている。

日本語の いんげん豆 という名称の歴史にも、植物学的な謎が残っている。伝統的には禅僧 隠元禅師 と結び付けられているが、日本の資料では、彼が伝えた植物が Phaseolus vulgaris ではなく、フジマメ、すなわち Lablab purpureus だった可能性も明記されている。

インドの rajma も、一つのアメリカ系 commercial kidney bean に限定することはできない。北インドには複数の地域的な赤色インゲンマメ系統が存在するため、rajma は単一品種や単一商品クラスよりも広い料理上のカテゴリーである。

ジャマイカの rice and peas は、言葉の意味と実際の食材がずれる面白い例である。この料理名の peas は、実際には赤色の kidney bean を指していることが多い。

ニューオーリンズの red beans and rice は、伝統的に月曜日と結び付けられてきた。月曜日は大がかりな洗濯を行う日で、家族が洗濯をしている間、豆を長時間煮込むことができたためである。

Red kidney は現在では chili を象徴する豆の一つとなっているが、chili の歴史はそれほど単純ではない。伝統的な Texas chili では豆をまったく使わない場合もあり、kidney bean は人気の高い現代的な追加材料ではあるものの、歴史的な必須材料ではない。

そして red kidney は、調理方法が単に食感だけでなく、直接的に食品安全と毒性に関わる珍しい日常食品の一つである。

多くの乾燥豆類では、加熱不足は主に硬さや消化の悪さの問題になるが、red kidney では、わずか数粒の加熱不足の豆でも実際の食中毒を引き起こす可能性がある。

  1. Royal Botanic Gardens, Kew. Phaseolus vulgaris L. Plants of the World Online
    Kew: Phaseolus vulgaris L.
  2. USDA Agricultural Marketing Service. United States Standards for Beans: commercial bean classes
    USDA AMS: Beans Grades and Standards
  3. USDA Agricultural Research Service. Kidney beans as Andean market classes and breeding material
    USDA ARS: Kidney bean germplasm and market classes
  4. Schmutz J. et al. A reference genome for common bean and genome-wide analysis of dual domestications
    PMC: Common bean genome and dual domestications
  5. Bitocchi E. et al. Current State and Perspectives in Population Genomics of the Common Bean
    PMC: Population genomics of common bean
  6. Mensack M. M. et al. Evaluation of diversity among common beans from two centers of domestication
    PMC: Andean and Mesoamerican bean market classes
  7. 日本豆類協会. いんげんまめ(総論)
    日本豆類協会: いんげんまめ
  8. 農林水産省. 豆のこと、もっと知りたい。日本への豆類の伝来
    農林水産省: 豆の歴史
  9. 日本豆類協会. 金時豆
    日本豆類協会: 金時豆
  10. 日本豆類協会・十勝農業試験場. 菜豆の品質研究と新規用途向け品種の開発
    日本豆類協会: 金時類とレッドキドニーの加工特性
  11. 日本豆類協会. きたロッソと輸入レッドキドニーの比較
    日本豆類協会: 赤いんげん豆とレッドキドニー
  12. USDA Agricultural Research Service. Registration of Red Hawk Dark Red Kidney Bean
    USDA ARS: Red Hawk Dark Red Kidney Bean
  13. Michigan State University. 2024 Michigan Dry Bean Performance Trials
    Michigan State University: Dark Red Kidney cultivars
  14. U.S. Food and Drug Administration. Bad Bug Book: Phytohaemagglutinin and Red Kidney Bean Poisoning
    FDA: Bad Bug Book
  15. Penn State Extension. Food Safety Questions and Answers: lectins in red kidney beans
    Penn State Extension: Kidney bean lectin safety
  16. Colorado State University Extension. Cooking Dry Beans
    Colorado State University: Cooking dry beans safely
  17. USDA FoodData Central. Beans, kidney, red, mature seeds, raw
    USDA FoodData Central: Red kidney beans
  18. Atkinson F. S. et al. International tables of glycemic index and glycemic load values 2021
    American Journal of Clinical Nutrition: International GI tables
  19. Incredible India. Rajma Chawal and North Indian cuisine
    Incredible India: Rajma Chawal
  20. Visit Jamaica. Rice and Peas
    Visit Jamaica: Jamaican food and rice and peas
  21. New Orleans & Company. Red Beans and Rice and the Monday tradition
    New Orleans: Red Beans and Rice