フラジョレ豆 / Flageolet

🇯🇵 日本語: フラジョレ豆
🇬🇧 English: Flageolet bean, Green flageolet
🔬 学名: Phaseolus vulgaris L.
🌿 科名: Fabaceae マメ科
🌍 Français: flageolet, flageolet vert, haricot flageolet, chevrier

フラジョレは、インゲンマメ Phaseolus vulgaris に属するフランスの流通上および料理上のタイプである。特徴は、種子を完全な生理的成熟に達する少し前に収穫し、その後に乾燥させる点にある。この方法によって、子葉に特有の淡い緑色が残る。フランスの農業分類では、フラジョレは子実用インゲンマメの一種とされ、主に demi-sec と呼ばれる段階、つまり植物上で完全に乾燥する前に収穫される。

フラジョレは独立した植物種ではなく、また単一の品種名でもない。緑色の種子をもつ複数のフラジョレ系統や栽培品種が存在する。例えば、フランスの Label Rouge Flageolet vert の現行規格では、Flageolet vert タイプの品種として Verdelys が使用されている。

本項では、乾燥させた緑色のフラジョレを対象とする。生鮮品や冷凍品として流通する半成熟種子は、別の製品形態として扱う。

日本では、フランス語名を音写した フラジョレ豆 という名称が用いられる。日本の小売市場では、インゲン豆の一種として紹介され、特にフランス料理との関連が強調されることが多い。

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豆を指す flageolet という語は、有名な緑色の Chevrier が登場する以前からフランス語で使われていた。フランスの資料では、haricot flageolet という表現が少なくとも19世紀初頭には確認されている。

現在知られている緑色の flageolet の伝統は、パリ近郊の Brétigny-sur-Orge で農業を営んでいたガブリエル・シュヴリエと深く結び付いている。

1872年、寒さの到来を避けるため、シュヴリエは通常より早い時期にインゲンマメを収穫し、雨風を避けられる場所で乾燥させた。その結果、種子は緑色を保ち、調理後の食感もよりやわらかくなった。彼はその後もこの方法を意図的に繰り返し、収穫した株を光や悪天候から守りながら追熟と乾燥を行った。この方法で得られた緑色の豆は、haricot Chevrier として知られるようになった。

したがって、シュヴリエが flageolet という豆そのものや、その名称を生み出したわけではない。彼の歴史的な功績は、早めの収穫と管理された乾燥によって、緑色の flageolet を安定して生産する方法を発展させた点にある。

Chevrier の栽培はパリ周辺へ急速に広がり、Arpajon はその主要な流通拠点の一つとなった。1922年以降、同市では、地域の haricot Chevrier の歴史と結び付いた Foire aux Haricots が開催されている。

フラジョレは、マメ科 Fabaceae のインゲンマメ Phaseolus vulgaris に属する。

一年生のマメ科植物で、莢果を形成し、その内部に種子が発達する。

この製品の最大の特徴は、品種固有の性質と収穫時期の組み合わせによって生じる。緑色種子をもつ品種では、子葉が緑色を呈し、その外側を比較的透明な種皮が覆っている。特徴的な緑色を保つため、植物は完全に成熟する少し前に収穫される。収穫時期が遅すぎると、種子は徐々に緑色を失い、より淡い色へ変化する。

したがって、フラジョレの緑色は、乾燥方法だけ、あるいは品種の遺伝的性質だけで説明できるものではない。特定の緑色種子品種の性質と、適切な収穫時期、その後の乾燥工程が組み合わさることで形成される。

Flageolet vert は、主にフランスで発展した農産物であり、フランス料理と強く結び付いている。

フランスでは、主な栽培地域としてブルターニュ、オー=ド=フランス、サントル=ヴァル・ド・ロワールなどが挙げられる。フランス農業省の資料によると、2020年代初頭には、生鮮または半乾燥の状態で収穫される子実用インゲンマメの生産量は年間約3万8千トンで、そのうち約3分の2を緑色の flageolet が占めていた。収穫物の多くは缶詰や冷凍食品の原料として利用される。

乾燥 flageolet も独立した商品形態として流通しており、缶詰や冷凍品と並んで販売されている。

典型的な Flageolet vert は、小粒から中粒の淡い緑色の種子をもち、形は一般に細長い楕円形またはやや腎臓形である。

緑色は主に子葉に由来し、種皮は比較的透明である。

現行のフランス Label Rouge Flageolet vert の規格では、種子は緑色で楕円形、厚さは3.5 mm以上と定められている。また粒の大きさも規格化されており、100 gあたり約270~460粒が基準とされる。加熱後は、やわらかくつぶしやすい一方で過度に粉質ではなく、種皮が口の中で目立ちにくい食感が求められる。

Chevrier は、ガブリエル・シュヴリエの栽培法と結び付いた、歴史的に最もよく知られるフランスの緑色 flageolet の名称である。ただし、現在の flageolet は複数の品種からなり、歴史的な Chevrier だけに限定されるものではない。

加熱したフラジョレは、穏やかで上品な豆の風味をもち、わずかにナッツや青い植物を思わせるニュアンスが感じられる。

最大の特徴は、やわらかく繊細な食感である。適切に調理すると、内部はなめらかでクリーミーになる一方、豆の形は比較的保たれる。

種皮は比較的薄く、加熱後は多くの大粒で皮の厚い乾燥インゲンマメよりも口当たりが目立ちにくい。フランスの Label Rouge の公式規格でも、加熱した緑色 flageolet は、やわらかく、過度に粉質ではなく、種皮が口の中で目立ちにくい食感をもつことが特徴とされている。

フラジョレは、特にフランス料理と強く結び付いている。

温かい付け合わせとして供されるほか、煮込み料理やスープに加えたり、サラダに使ったり、なめらかなピューレにして利用される。

Gigot d’agneau aux flageolets

最もよく知られる伝統的な組み合わせが、gigot d’agneau aux flageolets である。これは、ローストした羊または子羊のもも肉にフラジョレを添える料理である。

この組み合わせはフランス料理に非常に深く定着しており、フランス語辞典でも gigot aux flageolets が flageolet という語の典型的な使用例として挙げられることがある。フランスの伝統的な家庭料理やブルジョワ料理では、子羊とフラジョレの組み合わせが長く定番とされてきた。

フラジョレは、ほかの子羊料理や鴨料理の付け合わせとしても用いられる。フランスでは、サラダ、煮込み料理、やわらかな豆のピューレなどにも利用される。日本の Picard でも、フラジョレ豆はローストした子羊や鴨料理に合わせる伝統的なフランスの付け合わせとして紹介されている。

乾燥フラジョレは、調理前に浸水させることが推奨される。

乾燥した Phaseolus vulgaris を安全に調理するためには、6~12時間水に浸した後、その水を捨て、新しい水で加熱する方法が適している。

浸水後は十分に沸騰させる。レクチンを確実に失活させるため、EFSAでは100 ℃で少なくとも30分間沸騰させ、その後も豆が完全にやわらかくなるまで加熱を続けることを推奨している。

乾燥フラジョレの総調理時間は、品種、種子の保存期間、浸水時間によって異なる。あらかじめ浸水させたものは、通常およそ45~90分でやわらかくなる。

十分な沸騰による安全確保の工程を終えた後は、激しくかき混ぜたり過度に強く煮立てたりせず、穏やかに加熱を続ける方がよい。フラジョレは種皮が繊細なため、強い攪拌によって皮が破れ、豆の形が崩れやすくなる。

フランスの食品成分データベース Ciqual には、乾燥した緑色 flageolet に関する個別の成分値が掲載されている。

乾燥品100 gあたりのおおよその栄養成分は次のとおりである。

エネルギー: 315 kcal
たんぱく質: 19.1 g
脂質: 2.6 g
炭水化物: 42.1 g
食物繊維: 23.4 g
でんぷん: 24.1 g

乾燥フラジョレには、ミネラルやビタミンも含まれている。

乾燥品100 gあたりのおおよその含有量は次のとおりである。

マグネシウム: 160 mg
リン: 440 mg
鉄: 7.3 mg
亜鉛: 2.3 mg
銅: 0.68 mg
葉酸: 121 μg

実際の栄養成分は、品種、栽培条件、収穫時期、個々の製品によって異なる。数値はいずれも乾燥品100 gあたりの値である。

他の Phaseolus vulgaris と同様に、生のフラジョレや加熱が不十分なフラジョレには、フィトヘマグルチニンを含む活性レクチンが残っていることがある。

加熱が不十分な豆を食べると、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状を引き起こす可能性がある。

リスクを減らすため、乾燥豆は6~12時間浸水させた後、その水を捨て、新しい水に替えて100 ℃で少なくとも30分間沸騰させることが推奨される。短時間の蒸し調理や、十分な温度に達しない加熱方法では、レクチンを確実に失活させにくい。

乾燥フラジョレは、密閉容器に入れ、高湿度、直射日光、害虫、急激な温度変化を避け、乾燥した涼しく暗い場所で保存する。

長期間保存すると、乾燥種子は徐々に吸水しにくくなり、やわらかくなるまでにより長い浸水時間や加熱時間を必要とする場合がある。

フランスの Flageolet vert Label Rouge では、繊細な種皮と特徴的な食感を保つため、収穫月を基準とした賞味期限が24か月以内に設定されている。

緑色の flageolet は、品種だけでなく収穫時期によって特徴が決まる、乾燥豆としては珍しい例である。フランスの公式規格では、完全に成熟する少し前に収穫することが明確に求められている。収穫が遅すぎると、種子は緑色を失い、白っぽくなるためである。

ガブリエル・シュヴリエの物語は、彼が flageolet そのものを作り出したかのように語られることがあるが、これは正確ではない。haricot flageolet という語は1813年にはすでに記録されており、シュヴリエの実験より約60年も早い。彼の功績は flageolet という名称を生み出したことではなく、後に有名となる緑色の Chevrier を安定して生産する方法を発展させた点にある。

flageolet という語の語源も、「小さな笛」という単純な説明だけでは十分ではない。Larousse では、豆を指す名称はラテン語 phaseolus に由来するイタリア語 fagiuolo と関連し、さらにフランス語で笛の一種を意味した flageole の影響を受けた可能性があるとされる。形の類似が、この語形の混同に影響した可能性も考えられている。

シュヴリエの歴史的な方法では、早めに収穫した株を雨風や光から守りながら乾燥させていた。しかし、これは現代の flageolet が必ず日陰だけで乾燥されることを意味しない。現在の Label Rouge 規格では、莢付きの豆を畑で少なくとも2日間自然乾燥させる方法も認められている。特徴的な緑色を保つうえで最も重要なのは、完全成熟する前の適切な時期に収穫することである。

フランス料理では、flageolet と羊肉の結び付きが非常に強く、gigot aux flageolets はこの豆を代表する組み合わせとして定着している。