ブラックアイ / 黒目豆 / Black-eyed pea

🇯🇵 日本語名: ブラックアイ / 黒目豆
🇬🇧 英語名: Black-eyed pea / Black-eyed bean
🔬 学名: Vigna unguiculata (L.) Walp.
🌿 科名: マメ科(Fabaceae)
その他の広く使われている名称: blackeye、black-eyed cowpea、ブラジルでは feijão-fradinho、インドおよびパキスタンでは lobia / lobiya

この食材が伝統的に重要な位置を占める主な食文化圏: アメリカ合衆国、特にアメリカ南部料理およびアフリカ系アメリカ人の食文化。ブラジル、特にバイーア州およびアフロ・ブラジル料理。ガーナをはじめとする西アフリカの一部地域。インド、特に北部および一部の南部地域の料理。

日本の流通上の分類では、ブラックアイはササゲ(Vigna unguiculata)の一タイプとして扱われている。日本豆類協会では、白色の種子に、種臍の周囲を取り囲む特徴的な黒い斑紋を持つCowpeaとして紹介されている。

Black-eyed peaは独立した植物種ではなく、Cowpea(Vigna unguiculata)に含まれる伝統的なタイプのひとつである。
最大の外見的特徴は、白色またはクリーム色の明るい種皮と、種臍の周囲にある強いコントラストを持つ黒色または濃色の斑紋である。この斑紋が特徴的な「黒い目」のように見えることから、Black-eyed peaという名称が付けられている。
ただし、Black-eyed peaをVigna unguiculata全体の同義語として扱うのは適切ではない。Cowpeaには、cream peas、crowder peas、red cowpeas、brown cowpeas、mottled cowpeasなど、多数の異なる伝統的・流通上のグループが存在する。
アメリカのSouthern peasの分類では、Black-eyed peasはcrowder peasやcream peasと並ぶ独立した主要グループのひとつとして扱われている。University of Floridaでも、Black-eyeをSouthern peaの主要な料理用タイプのひとつとして分類している。

この記事は現在、一部未完成のため、内容を随時追加・更新しています。

Black-eyed peaが独立した文化的カテゴリーとして定着した理由は、主に3つある。

第一に、外見上の特徴が非常に分かりやすく、ほかのCowpeaと容易に区別できること。

第二に、特にアメリカ合衆国やブラジルで、独立した商品カテゴリーとして栽培・流通・販売されてきたこと。

第三に、このタイプそのものが、いくつかの代表的な国民料理や地域料理と強く結びついていること。

その結果、Black-eyed peaという名称は多くの国で非常に一般的になり、ときにはCowpea全体の同義語のように誤って使われることもある。

Black-eyed peaが、ほかのCowpeaとは区別された独自の食材として特に強く定着した国のひとつがアメリカ合衆国である。

アメリカでは、Black-eyed peaはSouthern peasと呼ばれる大きなグループに含まれ、Crowder peas、Cream peas、Purple Hullなどと並ぶ主要タイプのひとつとして扱われている。University of Floridaでも、Black-eyeはSouthern peaの代表的な分類群のひとつとして位置づけられている。

Black-eyed peasは特に、アメリカ南部料理、アフリカ系アメリカ人の食文化、そして現代のSoul Foodに深く根付いている。

茹でる、煮込む、米と合わせる、青菜と組み合わせる、豚肉や燻製肉と一緒に調理するといった使い方が一般的である。

新年の伝統

Black-eyed peasは、アメリカ南部の新年料理と特に強く結びついている。

Smithsonian National Museum of African American History and Cultureは、Black-eyed peasを米とともに新年に食べる習慣を、幸運や繁栄を願う伝統として紹介している。この習慣は特にアフリカ系アメリカ人のコミュニティでよく知られ、Watch Nightを含む新年の食文化とも結びついている。

ただし、現在の一般的なイメージと歴史的な実態は区別する必要がある。

Hoppin’ Johnは現在ではBlack-eyed peasを使うものとして非常によく知られているが、歴史的なLowcountryの料理では、必ずしもBlack-eyed peasだけに限定されていたわけではない。

National Park Serviceによると、Gullah Geecheeの伝統的なHoppin’ Johnには、field peasやred peasなど別のタイプのCowpeaが使われることもあった。Black-eyed peasは、その後特に広く定着した現代的な代表例のひとつである。

そのため、Black-eyed peaは現在のHoppin’ Johnにおける代表的で伝統性のある食材ではあるものの、歴史上のすべてのHoppin’ Johnに必須だったとするのは正確ではない。

アメリカの代表的な料理

Hoppin’ John(ホッピン・ジョン、Hoppin’ John、Rice and Peas with Pork)
米と豆を、タマネギ、豚肉またはベーコン、香辛料などとともに調理するアメリカ南部の伝統料理。現在ではBlack-eyed peasを使うタイプが最もよく知られている。

Black-eyed peas with collard greens(ブラックアイド・ピーズ・ウィズ・コラード・グリーンズ、Black-eyed peas with collard greens、Black-eyed Peas with Collard Greens)
Black-eyed peasとcollard greensを組み合わせたアメリカ南部の代表的な新年料理。Black-eyed peasは幸運や豊かさ、青菜は経済的な繁栄を象徴するとされる。

Southern-style black-eyed peas(サザンスタイル・ブラックアイド・ピーズ、Southern-style black-eyed peas、Southern-style Braised Black-eyed Peas)
Black-eyed peasを、燻製した豚肉、ham hock、baconなどとともにゆっくり煮込む南部料理。

Black-eyed peasはアメリカ南部の食文化に非常に深く定着しており、現在ではアメリカの消費者にとって、Cowpeaの中で最も認知度の高いタイプのひとつとなっている。

アメリカにおけるBlack-eyed peaの歴史は、アフリカ系ディアスポラの歴史と深く結びついている。

Smithsonianは、カロライナ地方におけるCowpeaやBlack-eyed peasの普及を、大西洋を越えた人々の移動と西アフリカの食文化の伝播に関連づけている。18世紀初頭には、すでにこうした豆類がカロライナ地方で利用されていた。

Gullah Geecheeの食文化では、豆類と米の組み合わせが特に重要な伝統のひとつであり、その背景には西アフリカの食文化との強い連続性がある。

現在ではBlack-eyed peasがこの大きな食文化を象徴する豆類のひとつとして特に広く知られている。ただし、歴史的に使われてきたCowpeaはBlack-eyed peasだけではなく、ほかのfield peasや地域在来型も含む、より多様なものであった。

ブラジルではBlack-eyed peaは、特にfeijão-fradinhoの名称で広く知られている。

このタイプのCowpeaは、ブラジルの中でも特にバイーア州の食文化において、非常に強い独自の文化的アイデンティティを持つ。

Acarajé

Acarajé(アカラジェ、Acarajé、Fried Black-eyed Pea Fritters)
feijão-fradinhoが料理の中心となる代表的な料理。

IPHANはAcarajéを、feijão-fradinhoの種皮を取り除き、すりつぶして成形し、azeite de dendêで揚げる料理として紹介している。

この料理はアフリカに起源を持ち、バイーア州の食文化、そしてCandombléの伝統と特に深く結びついている。

Ofício das Baianas de Acarajéと呼ばれるAcarajé作りと販売の伝統は、ブラジルの無形文化遺産として登録されている。

Acarajéにおけるfeijão-fradinhoは、単に利用可能なCowpeaのひとつという位置づけではない。料理そのものの伝統的なアイデンティティを構成する重要な食材である。

Abará

Abará(アバラ、Abará、Steamed Black-eyed Pea Cake)
Acarajéと同じく、feijão-fradinhoを基礎に作られるバイーア州の伝統料理。

種皮を取り除いてすりつぶしたfeijão-fradinhoの生地を使う点はAcarajéと共通しているが、Abaráは油で揚げず、伝統的には包んで蒸して仕上げる。

IPHANでは、AbaráもAcarajéとともに、バイーア州における伝統的な食文化の一部として扱われている。

Black-eyed peaは、西アフリカで広く栽培・利用されているCowpeaの重要なタイプのひとつである。ただし、西アフリカで使われるCowpeaがすべてBlack-eyed peaというわけではない。

市場調査では、種皮の色や種臍周辺の模様について、地域ごとに明確な嗜好の違いが確認されている。ガーナでは、調査対象となった市場で流通するCowpeaの70%以上がBlack-eyedタイプだった一方、中央アフリカや西アフリカの他地域では、別の色やタイプが好まれる場合もある。

ガーナ

ガーナでは、Black-eyedタイプのCowpeaが特に広く利用されている。

Red-red(レッドレッド、Red-red、Cowpea Stew with Palm Oil)
Cowpeaをトマト、タマネギ、赤いパーム油とともに煮込む伝統料理。Black-eyed peasがよく使われるが、必ずしもこのタイプだけに限定されない。一般的には、揚げた熟したプランテンとともに供される。

Black-eyedタイプは、以下の伝統料理にも使用されることがある。

Waakye(ワーチェ、Waakye、Rice and Cowpeas)
米とCowpeaを一緒に炊いて作る、ガーナを代表する伝統料理のひとつ。

Koose(クーセ、Koose、Cowpea Fritters)
水に浸してすりつぶしたCowpeaを調味し、揚げて作る料理。Black-eyed peasも伝統的に使用されるが、他のCowpeaタイプが使われる場合もある。

ナイジェリア

ナイジェリアではBlack-eyed peasは広く利用されているが、実際のCowpea文化はそれよりはるかに多様である。

IITAの研究では、ナイジェリアには白色、赤色、茶色など、さまざまな伝統的Cowpeaが存在し、地域によって好まれるタイプも異なることが示されている。そのため、ÀkàràやMoin-moin / Moi-moiのような料理を、Black-eyed peaだけを使う料理として定義するのは正確ではない。

一方で、Black-eyedタイプのCowpeaも伝統的に以下の料理に使用される。

Àkàrà(アカラ、Àkàrà、Cowpea Fritters)
水に浸して種皮を取り除いたCowpeaをすりつぶし、調味して揚げる料理。Black-eyed peasも使われるが、他のCowpeaタイプも伝統的に利用される。

Moin-moin / Moi-moi(モインモイン、Moin-moin / Moi-moi、Steamed Cowpea Pudding)
すりつぶしたCowpeaに唐辛子、タマネギ、油などを加え、蒸して仕上げる料理。Black-eyed peasは使用可能な伝統的タイプのひとつである。

このほか、Black-eyed peasはCowpeaを丸ごと茹でる料理や、各種の煮込み料理にも利用されている。

インドではBlack-eyed peaは、lobia / lobiya の名称で広く流通している。
ただし、用語には少し注意が必要である。Lobiaは広い意味でCowpea全般を指す場合もあるが、現在のインドの市場やレシピでは、この名称で白色系のBlack-eyed peaが販売・使用されることが非常に多い。
インドの公的資料でも、lobiaとBlack-eyed peaは密接に関連づけて扱われている。

北インド

Lobia masala / Lobia curry(ロビア・マサラ / ロビア・カレー、Lobia masala / Lobia curry、Black-eyed Pea Curry)
Black-eyed peasを、タマネギ、トマト、各種スパイスを使った濃厚なソースで煮込む料理。特に北インド、パンジャーブ地方およびその周辺地域で広く見られる。

Lobiaという名称自体はCowpeaをより広く指すこともあるが、現在のLobia masala / Lobia curryではBlack-eyed peasが非常によく使われる。

アーンドラ・プラデーシュ州、テランガーナ州

Alasanda vada / Bobbarlu vada(アラサンダ・ヴァダ / ボッバルル・ヴァダ、Alasanda vada / Bobbarlu vada、Black-eyed Pea Fritters)
水に浸したBlack-eyed peasをすりつぶし、タマネギ、香辛料、香草などを加えて揚げる料理。
アーンドラ・プラデーシュ州、テランガーナ州およびその周辺地域で見られる伝統的な祝祭料理・軽食・ストリートフードのひとつである。

タミル・ナードゥ州

Black-eyed peasは、以下の料理にも使われる。

Karamani sundal(カラマニ・スンダル、Karamani sundal、Seasoned Black-eyed Peas with Coconut)
茹でた豆を、マスタードシード、カレーリーフ、ココナッツなどで調味する料理。
ただし、karamani という名称はBlack-eyed peaだけでなく、より広いCowpeaのグループを指す場合もある。そのため、Karamani sundalを常にBlack-eyed pea専用の料理として扱うのは正確ではない。

Black-eyed peaには、独立した食材として広く定着した理由となるいくつかの特徴がある。

味は比較的穏やかで、さまざまな料理や調味料と合わせやすい。

十分に加熱すると子葉はクリーミーでなめらかな食感になる一方、火加減を調整すれば粒の形を比較的保ちやすい。

種臍の周囲にある特徴的な濃色の「目」は、ほかのCowpeaと見分けやすい明確な外観上の特徴となっている。

また、種皮が明るい色をしているため、煮汁や料理全体を強く着色したくない料理にも使いやすい。

さらに、一部の国や地域では、この外観を持つCowpeaそのものに対する明確な消費者嗜好が形成されている。たとえばガーナでは、市場調査によってBlack-eyedタイプのCowpeaに対する強い選好が確認されている。

Black-eyed peasは、穏やかな豆らしい味わいを持ち、土のようなニュアンスと、わずかにナッツを思わせる風味が感じられる。

一部の色の濃いCowpeaと比べると、香りや風味は比較的クセが少なく、ニュートラルな印象を持つ。

十分に加熱すると、内部は柔らかく、クリーミーでほくほくとした食感になる。

University of Floridaでは、Black-eyed peaの風味の強さを、より濃厚なCrowder peasと、特に穏やかなCream peasの中間程度と説明している。

乾燥豆の下ごしらえ

乾燥Black-eyed peasは、調理前に異物や傷んだ豆を取り除き、よく洗う。

事前に水に浸すことで、一般的に加熱時間を短縮でき、豆全体をより均一に柔らかくしやすくなる。

浸水後の水は捨て、新しい水に替えて加熱するのが望ましい。

料理によって、その後の扱いは異なる。豆の形を残す料理ではそのまま茹でて使用し、AcarajéやAbaráなど一部の伝統料理では、浸水後に種皮を取り除いてから、すりつぶして調理する。

Black-eyed peaの文化的な歴史は、複数の地域でそれぞれ独立して発展してきた点が特徴的である。

アフリカでは、数多く存在する伝統的なCowpeaのタイプのひとつとして利用されている。

ブラジルではfeijão-fradinhoの名で知られ、アフロ・バイーア料理を代表する重要な食材のひとつとなった。また、Candombléに関わる宗教的な食文化とも深く結びついている。

アメリカ合衆国では、アメリカ南部料理を象徴する豆類のひとつとなり、特にアフリカ系アメリカ人の新年の食文化と強く結びついている。

南アジアでは、地域ごとのカレー、Sundal、揚げ料理などに取り入れられ、それぞれの食文化の中に定着している。

このようにBlack-eyed peaは、大きなひとつの植物種の中にある特定の外観的タイプが、地域ごとに異なる文化的意味を獲得し、やがて国際的に独立した食材カテゴリーとして認識されるようになった好例である。

アメリカのオクラホマ州では、Black-eyed peasが州の公式な**「State Meal(州を代表する食事)」**を構成する料理のひとつとして正式に含まれている。特定の豆類が州の象徴的な食文化の一部として公的に認定されている、珍しい例である。

また、Black-eyed peasには、Freedom’s Eve(自由の前夜)にまつわる伝承がある。口承によれば、奴隷解放宣言が発効する直前の1862年12月31日の夜、奴隷状態にあった人々がBlack-eyed peasを食べたとされている。