ライマメ (生) / Lima Bean (fresh)

🇯🇵 日本語: ライマメ(未熟豆)
日本での別表記: らいまめ、ライマビーン
🇬🇧 English: Lima Bean, Butter Bean, Fresh Lima Bean, Fresh Butter Bean
🔬 学名: Phaseolus lunatus L.
🌿 科名: Fabaceae
🌍 Español: pallar, frijol de Lima
🌍 Quechua: pallar

リマ豆は、インゲンマメ属の独立した種 Phaseolus lunatus の種子で、インゲンマメ Phaseolus vulgaris に近縁である。

このカードでは、ほぼ最終的な大きさまで成長しているものの、まだ水分を多く含み、乾燥していない新鮮な未熟種子を扱う。

調理する際は莢を開き、種子を取り出す。成熟した莢の果皮は通常食べない。

Fresh lima bean は乾燥品と比べて、
• 水分含量が高い
• 長時間の浸水が不要
• 調理時間が大幅に短い
• よりやわらかくクリーミーな食感
• 穏やかな甘みとナッツのような風味

という特徴を持つ。

完全に成熟した乾燥種子 Phaseolus lunatus は別の食品形態である。成熟した乾燥 lima bean については、別カードで扱う。

新鮮な形態は、特に Peru とアメリカ合衆国、なかでもアメリカ南部の料理で重要である。

この記事は現在、一部未完成のため、内容を随時追加・更新しています。

Lima Bean

Phaseolus lunatus の北アメリカでの主要な名称。

名称は Peru と都市 Lima に由来し、大粒の南アメリカ系統が Lima を経由して国際交易に流通したことと関連している。

ただし、この植物がLima 周辺だけを原産とするわけではない。

Butter Bean

イギリスおよびアメリカ南部で広く使われる Phaseolus lunatus の名称。

名称は、調理した種子の、
• クリーミーな食感
• 穏やかな味
• バターのような口当たり

に由来する。

アメリカの地域的な用法では、butter bean と lima bean が異なる local cultivars や種子サイズを指す場合があるが、植物学的には同一種である。

Baby Lima

小粒系統。

通常、小型の緑色またはクリーム色の種子をつける。

Fordhook Lima

Fresh / frozen lima bean として知られる、アメリカの代表的な大粒タイプ。

Sieva Bean

Phaseolus lunatus の歴史的な小粒系統群。

この名称は、日本の食品成分表でも lima bean の別名として見られる。

Pallar

Peru における Phaseolus lunatus の主要な名称。

pallar は fresh seeds と成熟乾燥種子の両方を指すことがあるため、名称だけでは製品の成熟段階を特定できない。

Fresh form には、

pallar verde
pallar fresco

などの表現が使われる。

Phaseolus lunatus は熱帯アメリカ原産である。

Kew は、この種の自然分布域をMexico から Peru までとしている。

リマ豆には、少なくとも2つの主要な独立した栽培化中心地が存在する。

アンデス中心地

ここでは、Big Lima と呼ばれる大粒系統が形成された。

これらは、主に Ecuador と Peru 北部に関連するアンデス系遺伝子プールに由来する。

考古学的・植物学的資料から、Peru では数千年前から大粒の lima bean が栽培されていたことが示されている。

メソアメリカ中心地

Mexico 中西部では、小粒の栽培系統が独立して形成された。

代表的な伝統タイプ:
• Sieva types
• Potato types

近年のゲノム研究でも、Phaseolus lunatus のアンデス系統とメソアメリカ系統が独立して栽培化されたことが支持されている。

したがって、**「リマ豆は Peru 原産」**という表現は単純化しすぎである。

より正確には、この種は熱帯アメリカに起源を持ち、アンデスとメソアメリカに独立した栽培化中心地を持つ。

生活形:一年生または多年生の草本植物
生育型:ブッシュ型またはつる性
染色体数:2n = 22
受粉:主に自家受粉だが、昆虫による他家受粉も起こりうる

つる性タイプでは、茎が数mに達することがある。

葉は三出複葉。

花:
• 白色
• 緑がかった白色
• 桃色
• 桃紫色

莢:
• 扁平
• やや鎌形に湾曲する
• 長さ約5~13 cm
• 通常2~4粒、場合によってはそれ以上の種子を含む

種子の形態と色には非常に大きな多様性がある。

種子は、
• 白色
• 緑色
• クリーム色
• 黄色
• 赤みを帯びた色
• 紫色
• 黒色
• 斑入り

などになる。

大粒のアンデス系統は一般により扁平で幅広く、メソアメリカ系統はより小さく丸みを帯びる傾向がある。

Fresh stage

Fresh lima bean は、種子が以下の段階に達したときに収穫する。

• ほぼ最終サイズまで成長している
• 莢の内部を十分に満たしている
• まだみずみずしい
• 内部組織がやわらかい
• 完全な乾燥が始まっていない

この段階では、莢そのものはすでに通常の野菜として食べるには硬すぎる。

そのため fresh lima bean は、

fresh shell bean

に分類され、snap bean ではない。

莢から取り出した種子は通常、
• 緑色
• 淡緑色
• クリームがかった緑色

をしている。

ただし、cultivars によって色は異なる。

主な fresh types

Baby Lima

小粒タイプ。

加熱すると、
• やわらかい
• わずかに甘い
• クリーミー

な食感と風味になる。

Fordhook Lima

大粒タイプ。

特徴:
• 肉厚感が強い
• しっかりした食感
• 種子が大きい

どちらのタイプも、アメリカではfresh vegetable として、特に frozen vegetable として広く利用されている。

Fresh lima bean は、
• 穏やかな甘み
• ナッツのような風味
• 軽い青々しい香り
• 乾燥豆より粉質感が少ない

という特徴を持つ。

加熱すると、
• 中身がクリーミーになる
• やわらかく、バターのような口当たりになる
• 種皮は通常そのまま残る
• 丁寧に茹でれば形をよく保つ

この特徴的な食感が、butter bean という名称の由来である。

ごく若い種子は、より緑色が強く、甘みも強いことがある。

成熟が進むにつれて、
• 水分量が減少する
• デンプン質が増える
• 風味がより濃く、豆らしくなる
• 調理時間が長くなる

Peru:Pallar

Phaseolus lunatus は、Peru で特に深い文化的歴史を持つ。

Pallar は、沿岸部の先コロンブス期社会において重要な作物であり、以下の文化でも利用されていた。
• Paracas
• Nazca
• Moche

現代の INIA も、pallar の歴史的重要性と、Peru における landraces の高い多様性を強調している。

特に有名なのが、

Pallar de Ica

である。

2007年、Pallar de Ica は Peru の Denominación de Origen を取得した。

Indecopi は、その特徴として、
• わずかな甘み
• 薄い種皮
• 短い調理時間
• やわらかくクリーミーな食感
• 比較的低い青酸含量

を挙げている。

Ica では pallar を、
• grano seco:乾燥豆
• grano fresco:新鮮な豆

の両方として栽培する。

つまり、fresh form も独立した正式な農産物として扱われている。

Pallares verdes|Peru

Fresh green pallares は、
• 茹でる
• 煮込む
• サラダに使う
• ピューレにする
• 肉料理の付け合わせにする

などの方法で利用される。

Ica の地域資料では、たとえば

ensalada de pallares verdes

つまり、fresh green lima beans を使ったサラダが記録されている。

Morusa de Pallares|Ica

Ica の代表的な地域料理の一つ。

Morusa は、pallares をやわらかなピューレ状、または濃厚につぶした状態に仕上げる料理である。

PROMPERÚ は morusa を、

mashed green lima beans

と直接説明し、Ica の代表料理に位置づけている。

加熱した fresh pallares を、やわらかくクリーミーな状態までつぶし、豚肉や牛肉のロースト・揚げ焼き料理などとともに提供する。

Fresh lima bean 本来のなめらかでクリーミーな食感が特によく生かされる料理である。

Picante de Pallares|Ica

これも Ica を代表する地域料理の一つ。

Pallares を、
• ají
• milk
• cheese
• egg
• その他、レシピに応じた材料

とともに調理する。

PROMPERÚ は picante de pallares を Ica の代表料理の一つとして挙げている。

ただし、具体的なレシピによって使用する pallar の成熟段階が異なるため、picante de pallares を fresh form 専用の料理と断定することはできない。

アメリカ南部

Lima beans は、アメリカ南部の料理で重要な野菜の一つである。

Fresh shell beans は伝統的に、
• 茹でる
• 煮込む
• butter と調理する
• bacon や salt pork と調理する
• corn と組み合わせる
• 単独の副菜として使う

Purdue Extension は fresh lima beans を、通常緑色で種子が十分に膨らんだ莢の状態で販売される季節食品として記載している。

Succotash

現代アメリカの succotash は、最も一般的に、

corn + lima beans

の組み合わせと結びついている。

場合によっては、
• butter
• cream
• bacon
• tomato
• peppers
• okra

なども加えられる。

特に一般的なのは、成熟乾燥豆ではなく、fresh または frozen の immature lima beans を使う形である。

ただし、料理の歴史的起源については補足が必要。

succotash という語は、Narragansett の misickquatash に由来する。

Wampanoag と Narragansett では、ヨーロッパ人による植民地化以前からcorn と beans を一緒に調理する食文化が存在していた。National Park Service も、北東部 Indigenous food system の一部として、corn、beans、squash の組み合わせを記録している。

ただし、これら初期の beans をPhaseolus lunatus だけに限定して同定するべきではない。

Lima bean が、現代アメリカの succotash を代表する豆の一つになったのは後の時代である。

したがって、より正確には、

現代の典型的な succotash では fresh lima beans がよく使われるが、歴史的な Indigenous succotash が Phaseolus lunatus だけに限定されていたわけではない。

下ごしらえ

新鮮な莢は、
• 緑色
• しっかりしている
• 十分に種子が詰まっている
• カビがない
• 水分を含んだ傷みがない

ものを選ぶ。

莢を開き、種子を、
• 取り出す
• 選別する
• 洗う

硬い莢の果皮は捨てる。

浸水

Fresh immature lima beans は、事前の浸水を必要としない。

これは成熟した乾燥豆との大きな違いの一つである。

調理

Fresh lima beans は、必ず加熱して食べる。

若い種子は通常、乾燥豆よりかなり短時間で調理できる。

市販の fresh lima beans では、成熟度や大きさによるが、やわらかくなるまでの加熱時間はおよそ10~20分が目安。

さらに発達した shell beans は、より長い時間を必要とすることがある。

Cyanogenic glycosides を含むため、生食ではなく、水で十分に茹でて完全に火を通す方法が望ましい。

OSU Extension は、fresh lima beans については乾燥豆ほど cyanide 除去に関する実験データが充実していないとしながらも、加熱処理を推奨しており、5~10分の茹でまたは蒸し加熱でも、潜在的に放出される cyanide 含量が低下するとしている。

百科事典上の実用的な目安としては、短時間の形式的なブランチングではなく、種子が完全にやわらかくなるまで十分に加熱する方が安全である。

日本食品標準成分表には、以下の項目のみが掲載されている。

らいまめ/全粒/乾
らいまめ/全粒/ゆで

ただし、どちらも mature seeds、つまり成熟した乾燥 lima bean に相当するため、この fresh form のカードでは使用しない。

USDA FoodData Central には、別項目として、

Lima beans, immature seeds, cooked, boiled, drained, without salt

が掲載されている。

加熱した新鮮な未熟種子100 gあたり:

エネルギー:123 kcal
水分:67.2 g
たんぱく質:6.8 g
脂質:0.3 g
炭水化物:23.6 g
食物繊維:5.4 g

カリウム:570 mg
カルシウム:32 mg
マグネシウム:74 mg
リン:130 mg
鉄:2.45 mg
亜鉛:0.79 mg
葉酸:26 μg
ビタミンC:10.1 mg

これらの数値は、immature seeds に対するものであり、成熟した乾燥 lima bean の値ではない。

Cyanogenic glycosides

Phaseolus lunatus は、一般的な Phaseolus の多くと異なり、cyanogenic species である。

主な化合物:
• linamarin
• lotaustralin

植物組織が損傷すると、これらは酵素的に分解され、hydrogen cyanide を放出する可能性がある。

近年の生化学研究でも、Phaseolus lunatus に linamarin と lotaustralin が存在し、この種が明確な cyanogenesis 能を持つことが確認されている。

含有量には大きな差がある

Cyanogenic compounds の量は、
• 遺伝系統
• cultivar
• 野生型か栽培型か
• 栽培条件
• 発達段階

によって異なる。

栽培化の過程では、望ましくない防御成分の含有量が少ない個体が選抜されてきた。ゲノム研究でも、antinutritional seed compounds の減少は lima bean の domestication に伴う形質の一つとされている。

野生型は、食用品種よりも cyanogenic compounds を大幅に多く含むことがある。

アメリカで商業栽培される lima beans は、cyanide 含量が200 mg/kg未満でなければならず、典型的な値はおよそ 100~170 mg/kg とされる。

生食しない

Kew は、lima beans が cyanogenic compounds を含むため、生で食べるべきではないと明記している。

これは fresh shell beans にも当てはまる。

見た目が新鮮で種子がやわらかくても、莢から出してそのまま食べてよいことを意味しない。

加熱処理

茹でることで、
• cyanide 放出に関与する酵素を失活させる
• 揮発性の hydrogen cyanide を除去しやすくする
• 全体的な毒性リスクを低減する

ことができる。

成熟種子では、多量の水で長時間しっかり沸騰させる方法が最も効果的。

Fresh immature seeds では初期含有量がより低い可能性があるが、すべての cultivars に共通する正確な値や、統一された detoxification 時間は確立されていない。

そのため fresh lima bean は、完全に火を通してから食べる必要がある。

Favism

Lima bean は、

fava bean = Vicia faba

と混同してはならない。

Favism は、遺伝性の G6PD deficiency と Vicia faba の摂取に関連する。

一方、Phaseolus lunatus にはまったく異なる特有の毒性機序があり、主に cyanogenic glycosides が関与する。

そのため、favism に関する注意を lima bean にそのまま適用することはできない。

Fresh lima beans は傷みやすい食品である。

調理するまでは、莢に入れたまま保存する方がよい。

Purdue Extension は、新鮮な lima beans について、
• 冷蔵保存する
• 莢を開けず、そのまま保存する
• 品質を保つため、できれば約2日以内に使用する

ことを推奨している。

すでに莢から取り出した種子は、
• 水分をより早く失う
• 次第に硬くなる
• 調理時間が徐々に長くなる

長期保存する場合、fresh lima beans は通常、
• 莢から種子を取り出す
• ブランチングする
• 急速に冷却する
• 冷凍する

という方法で保存する。

実際、アメリカでは frozen immature lima bean が、現代の主要な流通形態の一つとなっている。

Lima bean には、2つの独立した栽培化の歴史がある。大粒の Big Lima はアンデスで形成され、小粒の Sieva / Potato types はメソアメリカで独立して栽培化された。

Lima という名称は、この種全体が Peru の首都 Lima 周辺で生まれたことを意味しない。この名称は国際的によく知られた大粒のアンデス系統に定着したものであり、Phaseolus lunatus の自然分布域はそれよりはるかに広い。

Pallar de Ica は、単なる地域料理上の名称ではない。2007年から正式な Peru の Denominación de Origen に認定されている。

Fresh pallar は実際に独立した商品形態として存在する。現在の Ica の農業では、grano fresco と grano seco が明確に区別されている。

Morusa は、fresh form を特に分かりやすく示す料理である。PROMPERÚ はこれを mashed green lima beans と説明している。一方、Peru の他の多くの pallar 料理では、fresh と dry の両方が使われる可能性がある。

Butter bean と lima bean は、植物学的には別の植物ではない。 どちらも Phaseolus lunatus を指す。ただし地域によっては、異なる種子サイズ、色、cultivars を意味する場合がある。

Succotash は、現代の lima-bean version より古い。 その起源は Narragansett と Wampanoag の食文化にあり、ヨーロッパ人による植民地化以前から corn と beans を組み合わせて調理していた。後に fresh lima bean が、アメリカの succotash を代表する材料の一つとなった。

日本の食品成分表にも ライマメ は存在するが、対象は成熟した pulse のみである。MEXT には乾燥成熟種子と茹でた成熟種子の項目がある一方、fresh immature lima bean の独立項目は現在のところ存在しない。

Wild と cultivated lima bean では、毒性成分の含有量が大きく異なることがある。 防御成分の減少は栽培化の過程で選抜された形質の一つであり、野生種子を食用 cultivars と同等のものとして扱うことはできない。