
🇯🇵 日本語: ツルアズキ
日本での別表記: タケアズキ、カニメ、バカアズキ
🇬🇧 English: Rice bean, Ricebean
🔬 学名: Vigna umbellata (Thunb.) Ohwi & H.Ohashi
🌿 科名: Fabaceae
🌍 Nepali: मस्याङ masyang
🌍 Chinese: 赤小豆 chìxiǎodòu、飯豆 fàndòu、米豆 mǐdòu
Rice bean(ライスビーン)は、Vigna 属に属する小粒の豆類作物で、アズキ(Vigna angularis)に近縁である。Kew の現代分類では、Vigna umbellata (Thunb.) Ohwi & H.Ohashi を独立種として認めている。
この作物は南アジア、東南アジア、東アジアに伝統的に分布するが、利用規模は比較的小さく、商業的には主要作物ではない。
特に食文化上の存在感が大きい地域:ネパールの山岳地域、インド北部・北東部。また、ミャンマー、中国南部、東南アジア大陸部でも地域的に利用される。
これらの地域では、成熟種子を他の豆類と同様に煮て、dal、スープ、カレーに使い、米と一緒に食べたり、穀類と豆類を組み合わせた料理に利用したりする。
日本では、現在の 日本食品標準成分表 における正式名称は ツルアズキ。
以前の成分表では たけあずき という名称が使われていたが、文部科学省はこれが つるあずき に変更されたことを明記している。
日本豆類協会では、流通上使用される名称として 竹小豆 を挙げている。
カニメ という名称も、日本の公的資料で認められている。
この記事は現在、一部未完成のため、内容を随時追加・更新しています。
Rice bean の栽培化中心地は、インドシナ地域にあったと考えられている。
栽培型は、Vigna umbellata var. gracilis と関連づけられている。この野生型は、ヒマラヤ、インド北東部、ミャンマー、タイ、ラオス、ベトナム、中国南部、その他の東南アジア地域に分布する。
最初に栽培化された正確な地域については、現在も研究が続いている。
Rice bean は、アジア系 Vigna の Ceratotropis 亜属・Angulares 節に属する。
最も近縁な栽培種の一つは、アズキ Vigna angularis である。
生活型:主に一年生の草本植物
生育型:直立性、匍匐性、またはつる性
つるの長さ:通常1~3 m
染色体数:2n = 22
野生型:Vigna umbellata var. gracilis
葉は三出複葉で、花は黄色の蝶形花。
豆果は細長く、円筒形またはやや湾曲し、長さは通常 約6~10 cm。1つの豆果にはおよそ 6~10個の種子が形成される。
種子は小さく細長い形で、通常 長さ4~9 mm、幅約3~3.5 mm。
種皮色は非常に多様で、赤色、赤褐色、褐色、黒色、黄味を帯びた色、灰色、斑入りなどがある。
分布と栽培
Rice bean は、ヒマラヤ地域とインド北東部から、ネパール、ブータン、ミャンマー、中国南部、タイ、ラオス、ベトナム、インドネシア、東ティモールにかけて栽培されている。
また、日本、台湾、その他の熱帯・亜熱帯アジア地域でも知られている。
特に、小規模農家や山岳地域での栽培が多い。
単作のほか、トウモロコシ、ソルガム、ササゲ類、その他の作物との混作にも利用され、棚田、斜面、水田の畦などでも栽培される。
Rice bean は比較的やせた土壌でも生育でき、種子生産だけでなく、飼料作物、被覆作物、緑肥としても利用される。
地理的な分布は広いが、商業的重要性では mung bean、adzuki、urd bean など主要な豆類に大きく及ばない。
そのため、学術文献では一般に neglected crop または underutilized crop、すなわち十分に活用されていない農作物として扱われる。
外観とタイプ
Rice bean には、落花生の Runner、Virginia、Spanish のような世界的に標準化された複数の commercial class はない。
主な多様性は、多数の地域在来型 landraces によって構成されている。
種子は以下の点で大きく異なる。
• 大きさ
• 形
• 色
• 種皮の模様
• 生育期間
• 植物の生育型
ネパールの国立遺伝資源バンクでは、मस्याङ masyang という総称のもと、赤色、黄色、黒色、斑入りなど多数の地域在来型 rice bean が保存されている。
加熱すると、種子はやわらかな豆らしい食感になり、他の小粒のアジア系 Vigna と同様に利用される。
品種によって、種皮の硬さ、吸水性、やわらかくなるまでの時間に差がある。
すべての landraces に共通する明確な味の特徴は、科学文献では確立されていない。
そのため、**「甘い」「ナッツのような風味」「青っぽい風味」**などを、この種全体に共通する特徴として扱うことはできない。
主な食用部分は、成熟した乾燥種子である。
利用法:丸ごと煮る、dal にする、スープや濃い煮込みに加える、カレーで煮込む、米と一緒に食べる、米と豆を組み合わせた料理に使う、発芽させる、粉や生地に加工する、発酵食品や揚げスナックに利用する。
PROSEA では、rice bean を米と一緒に食べる、または米の一部を置き換えて食べる伝統的利用も記録している。
未熟な莢、若芽、葉も食用になるが、これらは野菜として扱われる別の食品形態であり、この成熟乾燥豆のカードには含めない。
代表的な料理
Rice bean dal
ネパール、インド北部・北東部。
乾燥豆を濃厚になるまで煮、dal として米、平焼きパン、野菜料理などとともに食べる。Rice bean の代表的な伝統利用の一つである。
Rice bean khichadi
インド、ネパール。
地域によっては、一般的な他の豆類の代わりに rice bean を使い、穀類と豆類を一緒に炊く khichadi を作る。
確認されている利用法ではあるが、rice bean は khichadi という料理カテゴリーの必須材料ではない。
Kwati などの混合豆料理
ネパール。
Masyang が地域作物として栽培される地域では、rice bean が伝統的な混合豆料理に加えられることがある。
ただし、kwati 自体は特定の1種類の豆だけで作る料理ではない。
赤小豆と呼ばれるスープ、粥、甘味料理
中国、台湾。
ここでは原料の植物同定に注意が必要である。
赤小豆 という名称は、歴史的資料や生薬学分野で Vigna umbellata と Vigna angularis の両方に使われてきた。
そのため、中国語名だけから原料の植物種を自動的に判断することはできない。
乾燥種子は選別し、よく洗う。
浸水は必須ではないが、6~12時間浸水すると調理時間を短縮でき、一部の抗栄養成分も減少する。
浸水後は水を捨て、種子を洗い、新しい水で完全にやわらかくなるまで煮る。
通常の加熱では、浸水後の成熟 rice bean は 約45~60分かかることがある。実際の時間は品種や種子の古さによって異なる。
圧力調理では、あらかじめ浸水した種子を 約15~20分で効率よく調理できることも研究で示されている。
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年によると、乾燥した成熟種子100 gあたりの栄養価は以下の通り。
エネルギー:297 kcal
たんぱく質:20.8 g
脂質:1.6 g
炭水化物:61.8 g
食物繊維:22.0 g
カリウム:1400 mg
カルシウム:280 mg
マグネシウム:230 mg
鉄:11.0 mg
亜鉛:3.1 mg
葉酸:210 μg
他の乾燥豆類と同様に、rice bean は生食用ではない。
種子には、フィチン酸、ポリフェノール、サポニン、プロテアーゼインヒビターなどの天然の抗栄養成分が含まれる。浸水、発芽、特にその後の十分な加熱調理によってこれらは大きく減少し、たんぱく質やでんぷんの消化性も向上する。
Vigna umbellata には、red kidney bean の Phaseolus vulgaris に対する特別な警告のような、独自の日常的安全調理基準は設定されていない。ただし、乾燥種子は生や半生ではなく、完全に加熱してから食べる必要がある。
Rice bean 抽出物については、α-グルコシダーゼなどの生物学的標的に対する in vitro 活性を示す研究がある。
ただし、これは実験室レベルのデータであり、rice bean の摂取が糖尿病を治療したり、それ自体でヒトの血糖値を調節すると断定する根拠にはならない。
乾燥種子は、密閉容器に入れ、乾燥した涼しく暗い場所で、湿気や害虫を避けて保存する。
長期間保存すると種子が硬くなり、より長い浸水時間や加熱時間が必要になることがある。
日本語の タケアズキ は、単なる偶発的な商品名ではない。以前の日本食品標準成分表では たけあずき の名称で掲載され、その後 つるあずき に変更された。一方、竹小豆 は現在も日本の商取引で使用されている。
赤小豆 は分類上かなり紛らわしい名称である。英国王立植物園 Kew の Medicinal Plant Names Services では、この中国語名が Vigna umbellata と Vigna angularis の両方に関連づけられている。そのため、中国料理、薬用原料、市販品では、植物種を個別に確認する必要がある。
英語名 rice bean の語源を「飯豆の直訳」と断定することはできない。中国語では 飯豆 や 米豆 が Vigna umbellata に使われ、また伝統的に米と一緒に食べられてきた。しかし、英語名が直接そこから生まれたと明確に示す信頼できる資料はない。
Rice bean は近年、育種や食品研究で再び注目されている。耐乾性、窒素固定能力、多様な生理活性成分をもつことから、気候変動に強い農業や新しい食品開発への可能性が研究されている。
一方で、これらの成分がヒトの健康に与える影響については、研究者自身も臨床データがまだ限定的であることを指摘している。
Kew Science — Plants of the World Online: Vigna umbellata
文部科学省 — 日本食品標準成分表2010:つるあずきの名称・解説
公益財団法人 日本豆類協会 — ミャンマーにおける豆類調査:ツルアズキ
Isemura et al. — The genetics of domestication of rice bean, Vigna umbellata
PLOS ONE — Development and characterization of genomic microsatellite markers in rice bean
ICIMOD — Distribution of ricebean in India and Nepal
Nepal National Agriculture Genetic Resource Center — Ricebean germplasm
Kew Medicinal Plant Names Services — 赤小豆
National Taiwan University — Vigna umbellata
Food Chemistry — Some antinutritional factors in rice bean
Frontiers in Nutrition — Nutritional and nutraceutical potential of rice bean
