ジリンマメ / Jengkol

🇯🇵 日本語: ジリンマメ
日本での別表記: ジェンコル、ジェンコール
🇬🇧 English: Jengkol, Djenkol Bean, Jering, Dogfruit
🔬 学名: Archidendron jiringa (Jack) I.C.Nielsen
🌿 科名: Fabaceae
🌍 Bahasa Indonesia: jengkol, jering, jingkol
🌍 Bahasa Melayu: jering, jiring
🌍 ไทย: เนียง (niang), ชะเนียง (chaniang)

ジェンコルは、南アジアおよび東南アジアに分布する熱帯樹木 Archidendron jiringa の種子である。

このカードでは、乾燥した豆類製品ではなく、果実から取り出した直後、または短期間保存した新鮮な種子を扱う。

主に食用とされるのは、
• 黄緑色の種皮を持つ若い未熟種子
• さらに成熟して大きくなったものの、まだ多くの水分を含む種子

果実そのものは大型で木質化した豆果であり、莢の果皮は硬く、通常は食用にしない。

新鮮な種子は、特に Indonesia と Malaysia で重要な食材であり、Thailand、Myanmar、その他の東南アジア地域でも伝統的に食べられている。

PROSEA は Archidendron jiringa を、地域の野菜利用される植物として明確に位置づけている。

この記事は現在、一部未完成のため、内容を随時追加・更新しています。

Jengkol という名称には、長い間かなりの混乱が伴ってきた。

医学、食品、古い植物学文献では、jengkol に対して非常に頻繁に次の学名が使われている。

Archidendron pauciflorum

しかし、現在の Kew Plants of the World Online では、Archidendron jiringa (Jack) I.C.Nielsen と Archidendron pauciflorum (Benth.) I.C.Nielsen を別々の独立した種として扱っている。

Archidendron jiringa の自然分布域は、Bangladesh と Myanmar から Thailand、Malaysia を経て、Sumatra、Borneo、Java にまで及ぶ。PROSEA、JIRCAS、近年の農業データベースでは、jengkol および jering という名称をこの種に結びつけている。

一方、現在の Kew の分類では Archidendron pauciflorum は、より東方に分布し、Philippines、Sulawesi、Lesser Sunda Islands を自然分布域とする。

そのため、この百科事典では料理用の jengkol に対して、

Archidendron jiringa (Jack) I.C.Nielsen

を使用する。

ただし、古い文献で A. pauciflorum という名称が広く使われてきたことは、特に毒性学文献を検索する際に重要である。

Archidendron jiringa は、南アジアおよび東南アジアに分布する植物である。

Kew は自然分布域を、Bangladesh から Myanmar、Thailand を経て Malaysia、Sumatra、Borneo、Java までとしている。

PROSEA は、以下の地域で野生個体群および栽培個体群を記録している。
• Indonesia
• Malaysia
• Brunei
• Thailand
• Myanmar
• Bangladesh

ジェンコルは主に地域的な果樹作物として栽培され、伝統的に各地の市場で販売されている。

多くの grain legumes とは異なり、一年生の畑作物ではない。 食用となる種子は、多年生の熱帯樹木に形成される。

生活形:常緑または半常緑の樹木
樹高:約20 mまで
果実型:豆果
染色体数:推定 2n = 26

葉:
• 二回羽状複葉
• 大型
• 数対の大きな小葉を持つ

花:
• 小型
• 白色またはクリーム色
• 密な花序につく

果実:
• 大型
• 扁平
• 灰褐色
• 鎌形または強く湾曲する
• 場合によっては幅広い螺旋状にねじれる
• 木質化した果皮を持つ

種子:
• 大型
• 扁平な円形
• 円盤状
• 若い段階では黄緑色
• 成熟するにつれて濃褐色になる

JIRCAS は、果実を腹側の縫合線に沿って裂開する木質の扁平な豆果と記載し、種子については扁平な円形で、黄緑色から濃褐色へ変化するとしている。

主な食用段階

若い種子

未熟種子は、
• 淡緑色または黄緑色
• よりみずみずしい
• 成熟種子よりやわらかい
• 比較的繊細な食感を持つ

Thailand では、特に若い種子が伝統的に地域市場で販売され、生のまま、または蒸して辛い curry の付け合わせとして食べられることがある。

成熟した新鮮な種子

Indonesia で最も代表的な料理利用形態。

この段階の種子は、すでに
• 大型
• 密でしっかりしている
• 扁平
• 内部はクリーム色、黄味がかった色、または褐色がかった色

になっている。

成熟した新鮮な種子は通常、
• semur jengkol
• 揚げ物・炒め物
• balado
• rendang jengkol
• 下処理後の chips

に利用される。

長時間茹でると、しっかりした種子がやわらかく、粉質でクリーミーな食感になり、ソースをよく吸収する。

Jengkol は、非常に特徴的な風味を持つ。

加熱した種子の味:
• 濃厚
• デンプン質
• ナッツと豆を思わせる風味
• わずかに土っぽい
• 場合によっては軽い苦味

長時間加熱した後の食感:
• 外側はややしっかりしている
• やわらかい
• クリーミー
• 内部はわずかに粉質

Jengkol は、特に強い独特の匂いで知られている。

この匂いは、複数の含硫化合物に由来する。揮発性香気成分の分析では、jengkol の主要成分の一つとして、環状硫黄化合物である 1,2,4-trithiolane が同定されている。

Djenkolic acid も硫黄を含むが、製品全体の匂いをこの酸だけに直接結びつけるのは単純化しすぎである。近年の研究では、より複雑な含硫前駆体と揮発性化合物の組み合わせが関与すると考えられている。

食後には特徴的な匂いが、
• 息
• 汗
• 尿

に残ることがある。

Jengkol の種子は、
• 茹でる
• 煮込む
• 揚げる・炒める
• sambal と調理する
• semur に使う
• rendang に使う
• curry に使う
• chips に加工する

といった方法で利用される。

一部の地域では若い種子を生で食べる伝統もあるが、djenkolic acid を含むため、安全面から生食は望ましくない。

Semur Jengkol Betawi|Jakarta

現代の jengkol 料理として最もよく知られるものの一つ。

地域的な位置づけが重要で、semur jengkol は West Java の Sundanese cuisine よりも、特に Betawi と Jakarta に強く結びついている。

2022年、Semur Jengkol Betawi はインドネシア教育文化省によって、DKI Jakarta の無形文化遺産として正式登録された。

種子はまず茹でてやわらかくし、その後通常は軽く潰して、濃厚なソースで煮込む。

主な材料:
• kecap manis
• shallot
• garlic
• candlenut
• pepper
• nutmeg
• cinnamon
• その他レシピに応じたスパイス

やわらかな jengkol に、甘辛く濃厚なソースと強いスパイス香が絡む料理になる。

Indonesia の公式観光ポータルも、semur jengkol を Jakarta の伝統料理として紹介している。

Sundanese cuisine における Jengkol

一方、jengkol そのものは West Java や Sundanese の食文化でも非常に人気が高い。

Jengkol は、
• lalapan として
• 揚げて
• sambal とともに
• 煮込んで
• 地域的な semur の形で

食べられる。

Sunda の食文化資料では、jengkol と petai が日常食を代表する特徴的な食材として特に好まれていることが記録されている。

したがって、jengkol は Sundanese cuisine にとって重要だが、Semur Jengkol Betawi は Jakarta との独立した、特に強い結びつきを持つ。

Rendang Jengkol|Sumatra

Minangkabau および Sumatra の料理では、jengkol を rendang の技法で調理することがある。

やわらかくした種子を、
• coconut milk
• chilli
• galangal
• lemongrass
• turmeric leaves
• kaffir lime leaves
• その他のスパイス

とともに長時間煮込む。

Indonesia Tourism の公式ポータルも、Rendang Jengkol を認知された rendang のバリエーションの一つとして挙げている。

揚げた Jengkol

下処理した種子を油で揚げる、または炒める。

以下のように食べられる。
• そのまま米とともに
• sambal とともに
• nasi や野菜料理の一部として

Malaysia と Indonesia では、茹でた jering を塩や coconut とともに食べる簡単な調理法も知られている。

Keripik / Emping Jengkol

PROSEA は、成熟種子を chips に加工する伝統的方法を記録している。

加熱した種子を、
• 押し潰す
• 薄い円盤状に成形する
• 天日乾燥する
• その後油で揚げる

この形態は、すでに加工された jengkol 製品であり、豆類加工食品の別カテゴリーに属する。

伝統的な発芽処理

成熟種子には、珍しい伝統的処理法も記録されている。

Jengkol を約 14日間土中に埋め、発芽を始めさせる。

その後、
• 種子を掘り出す
• 十分に洗浄する
• 芽を取り除く
• 種子を食用にする

PROSEA はこの形態を sepi と呼び、伝統的にはこの方法によって中毒リスクが低下すると考えられていたとしている。

ただし、これは伝統的な認識であり、完全な detoxification が証明されていることを意味しない。

成熟種子では、以下の方法が一般的である。
• 浸水する
• 茹でる
• 茹でた後に揚げる・炒める
• 長時間煮込む

PROSEA は、いくつかの伝統的な処理法を記録している。
• やわらかくなるまで長時間茹でる
• 揚げる前に塩水へ短時間浸す
• 土中に埋めて発芽させる

加熱や事前処理によって、
• 食感が改善する
• 匂いの強さが弱まる
• 一部の含硫化合物が減少する可能性がある

ただし、通常の茹で処理や浸水だけで djenkolism のリスクを完全に除去できるとは考えられない。

臨床レビューでは、具体的な調理方法にかかわらず中毒例が発生していることが示されている。

インドネシア保健省の Tabel Komposisi Pangan Indonesia には、独立した項目として、

Jengkol, segar|新鮮な jengkol

が掲載されている。

可食部100 gあたり:

エネルギー:192 kcal
水分:52.7 g
たんぱく質:5.4 g
脂質:0.3 g
炭水化物:40.7 g
食物繊維:1.5 g

カルシウム:4 mg
リン:150 mg
鉄:0.7 mg
ナトリウム:60 mg
カリウム:241 mg
銅:0.30 mg
亜鉛:0.6 mg

チアミン:0.05 mg
リボフラビン:0.20 mg
ナイアシン:0.5 mg
ビタミンC:31 mg

可食部率は**約95%**とされている。

一方、ごく若い未熟種子では成分組成が異なる。JIRCAS は若い種子100 gあたりについて、水分約93 g、たんぱく質3.5 g、脂質0.1 g、炭水化物1.7 gとしている。

これは、jengkol の成熟に伴って化学組成が大きく変化することをよく示している。

Djenkolic acid

Jengkol には、含硫性の非タンパク質性アミノ酸である djenkolic acid(ジェンコル酸) が含まれる。

一部の人では、種子を食べた後に特有の中毒である、

djenkolism / djenkol poisoning

を発症することがある。

主なリスクは、溶解性の低い djenkolic acid の結晶が尿路内に析出することに関連する。

症状として、
• 強い腹痛、腰痛、または側腹部痛
• 排尿時の痛み
• 尿量の著しい減少
• 血尿
• 尿の混濁
• 尿路閉塞
• 急性腎障害

が起こることがある。

公表された症例では、症状は摂取後およそ2時間~4日で現れている。

安全な摂取量は確立されていない

Jengkol には、「50 g以下なら安全」といった科学的に確立された普遍的な安全閾値は存在しない。

臨床症例の系統的レビューでは、平均摂取量は約10個の種子だったが、著者らは djenkolism の発症について、
• 散発的である
• 予測が難しい
• 摂取量との明確な相関が確認されていない
• 調理方法との明確な相関も確認されていない

ことを強調している。

同じ料理を食べた人でも、反応が大きく異なることがある。

さらに、同じ人でも摂取する機会ごとに感受性が異なる可能性がある。

そのため、百科事典で**「安全な一食量」**を設定するのは適切ではない。

重症例

系統的レビューでは、詳細に記録された 96例の djenkolism が確認されている。

大部分は回復したが、以下の重症例も報告されている。
• 重度の腎不全
• 尿管ステント留置の必要
• 外科的処置
• 透析
• 4例の死亡

したがって、djenkolism は単なる消化器系の不耐性として扱うべきものではない。

加熱しても完全に安全になるとは限らない

浸水、茹で処理、炒め・揚げ調理などの伝統的処理によって、jengkol 中の一部成分の濃度が変化する可能性がある。

しかし、臨床データからは、通常の家庭調理によってリスクが確実に除去されるとは言えない。

Djenkolic acid を効率的に分解する方法については現在も研究が続いている。

2025年には、Parkia speciosa 由来の C-S lyase を用いた実験的な酵素処理によって、djenkolic acid を最大約93%分解できたと報告された。

これは同時に、通常の伝統的 detoxification では除去が不完全である可能性を示している。

若い種子

Thailand では、若い種子を生で食べる伝統もある。

しかし JIRCAS は、djenkolic acid の含有量が個体ごとに大きく異なり、軽度から重度までの尿路障害を引き起こす可能性があると特に注意している。

したがって、歴史的に生食されてきたという事実は、安全性の証明にはならない。

医療機関の受診が必要な症状

Jengkol を食べた後に、
• 強い側腹部痛または腰痛
• 強い排尿痛
• 血尿
• 尿量の急激な減少
• 排尿できない

といった症状が現れた場合は、急性尿路閉塞や腎障害の可能性があるため、速やかな医療評価が必要である。

新鮮な jengkol の種子は、乾燥穀類や pulses と同じ方法で保存するべきではない。

これは水分含量の高い食品である。

新鮮な jengkol は、
• 冷蔵する
• 乾燥を防ぐ
• 果実ごと販売されている場合は、使用するまで莢の中に残しておく
• カビ、ぬめり、その他の明らかな腐敗兆候が現れる前に使用する

のが望ましい。

若い種子は特に水分が多く、より傷みやすい。

東南アジアでは、長期保存する場合、単に生の状態で保存するのではなく、乾燥、chips への加工、その他の伝統的な加工法が用いられる。

Jengkol の分類学上最大の落とし穴は、Archidendron pauciflorum という名称である。この学名は現在でも医学論文を含む多くの文献で広く使われているが、現在の Kew では、料理に使われる jengkol を Archidendron jiringa とし、A. pauciflorum は別種として扱っている。

日本には植物名として ジリンマメ がある。Yamashina Botanical Research Institute はこの名称を Archidendron jiringa に対して直接使用し、インドネシア名として ジェンコル も別途記載している。

Semur jengkol は、Sundanese だけの料理とするより、まず Betawi / Jakarta の料理として位置づける方が適切である。2022年には Semur Jengkol Betawi がインドネシアの無形文化遺産として正式登録された。

一方で、Sundanese における jengkol の人気も非常に高い。現代の Sundanese food culture に関する資料では、jengkol と petai が日常的な食品として登場し、lalapan としての利用も含まれている。

すべての jengkol が同じ毒性を持つわけではない。JIRCAS は、djenkolic acid 含量が個体ごとに大きく異なることを明記している。これが djenkolism の発症を予測しにくくしている理由の一つである。

匂いと腎毒性はどちらも硫黄化学に関係しているが、同じ現象ではない。匂いには特に揮発性の環状含硫化合物が重要であり、一方、主要な毒性学的リスクとして確立されているのは djenkolic acid の結晶化である。

Jengkol は、若い状態、成熟した状態、茹でた状態、揚げた状態、さらには発芽処理した状態でも食べられるが、どの方法も「確実に無毒な jengkol」を作るわけではない。 そのため、この食材では伝統的な食習慣と、科学的に確認された安全性を明確に分けて考えることが特に重要である。

栄養組成を見ると、若い jengkol と成熟した fresh jengkol は、ほとんど別の食品のように異なる。 若い種子では水分が約**93%に達することがある一方、インドネシアの食品成分表に掲載される成熟した fresh jengkol では水分は約53%**まで低下し、エネルギー密度が大きく上昇する。